会津大学は、宇宙戦略基金事業の一環として進められている「高精度衛星編隊飛行技術」(*1)の委託事業「超多数機の精密制御が可能な編隊飛行技術の構築」(*2)において、実施代表機関であるインターステラテクノロジズ株式会社(*3)と連携し、超小型衛星のリアルタイム飛行制御のための制御演算低電力アクセラレータの開発に取り組みます。
会津大学の富岡洋一上級准教授は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」において、高電力効率のAIアクセラレータであるソフトテンソルプロセッサを開発するなど、AIの高速処理を実現しながらエネルギー消費を抑える研究に取り組んできました。
さらに、富岡洋一上級准教授は、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)の「さきがけ」事業における信頼されるAIの基盤技術領域において、「持続可能な高効率AIシステムの実現」に取り組んでいます。本研究では、回路の経年劣化や放射線によるデータ破損が発生しても高精度の推論処理を維持できる信頼性の高いAIモデルとアクセラレータの開発を進めています。この技術は、将来的に宇宙環境や極限環境におけるエッジAIシステムの活用を大きく前進させることが期待されています。
参考URL:https://u-aizu.ac.jp/~ytomioka/research/presto/presto.html
本委託事業には、小惑星からのサンプルリターンなど世界初の数々の偉業を成し遂げた探査機「はやぶさ」、「はやぶさ2」など、多くの宇宙開発プロジェクトに貢献してきた宇宙情報科学センターからセンター長 出村裕英教授、低消費電力のエッジAIの研究開発に取り組んできたIoTクラスタからクラスタリーダー 齋藤寛教授、富岡洋一上級准教授、奥山祐一上級准教授、仙波翔吾助教が参画し、会津大学がこれまで開発してきた高効率・耐故障AIアクセラレータ技術を基盤として、超小型衛星のリアルタイム飛行制御のための低消費電力かつ耐放射線性を有する制御演算アクセラレータの開発に取り組みます。
このように、会津大学は、最先端のエッジAI技術を駆使し、産学連携による革新的な研究を推進することで、宇宙開発に貢献していきます。
*2 採択結果その1