学部3年の高橋一晃さんが、平成21年度会津大学海外派遣留学支援事業海外中期研修に採用され、ポルトガルのポルト大学で 研修を行いました。期間は、平成21年8月16日から9月27日までの約1ヶ月半です。
高橋さんのポルトガルでの研修や生活の様子をご紹介します。
ポルト大学研修報告
コンピュータ理工学部3年 高橋一晃
ポルトでの研修も終わり、2週間が過ぎようとしています。ポルトでの研修は、日本に戻りたくないと 感じるほど楽しい研修でした。
ポルトは英語圏でなく、実際に街中でも英語はほとんど見られません。このような状況だったので、 事前に現地の公用語のポルトガル語を勉強していくべきだったのですが、今回の研修は出発まで時間がなく、 十分に準備はできない状態での渡航になりました。初めのほうは、簡単なことでさえもポルトガル語で 言えなかったため、例えば食事を食べる時にジェスチャーだけで注文をしたこともありました。
大学ではだいたい英語が通じます。これは、大変助かりました。日本にいる時は、英語に助けられたことは ありませんでしたが、今回のようにお互いの母国語で会話できないという時には英語は大変役立ちました。 ポルトガル人の話す英語は、発音がきれいでなおかつネイティブでないのでほどよい速さで、わかりやすい 英語でした。
ポルト大学は、13の学部がありそれぞれの学部がポルト市内に点在しています。私が通っていた Faculty of Sciencesはポルトの西にあります。学内にはカフェテリアがあり、昼食は主にそこで食べていました。
ポルトでは数値分割問題の並列化をテーマに研究してきました。研究の進め方については、まず教授からアプローチの イメージをもらいます。次に私がそれを実装・検証して、それをもとにどうすれば良い結果を得られるか考えます。そして、 ポルト大学で指導教員であったJoao Pedro Pedroso教授にアポイントメントをとり、教授に説明しにいきます。以上のようなフローを、 3、4日のサイクルで繰り返していました。Pedro教授は私のメールにすぐ回答をくださり、また直接会う時間をできるだけ多く とってくださいました。これは、英語で自分のアプローチを説明する絶好の機会でした。最終的な研究の成果としては、既知の 単一スレッド用のアルゴリズムを単純に並列処理しただけではよい結果は望めないということがわかりました。よい結果を得る為には、 並列用のアルゴリズムを新たに考える必要があるという結論に至りました。ですので、今後の抱負としては、並列用のアルゴリズムを 新たに考え、単一スレッドで実行したときよりよい結果を得る、ということになります。
また、Pedro教授にはセミナーも開いてもらいました。セミナーでは、慣れない数学の単語とアルゴリズムの理解に苦しみましたが、 参加者が私の質問に丁寧に回答してくれたため、なんとか理解できました。セミナー中は、教授・学生がお互いの疑問をぶつけており、 インタラクティブだと感じました。
夕食や休日の食事は、なるべくいったことのないレストランに行くようにしていました。そのおかげで、 いろんな食べ物を食べることができましたし、地元の雰囲気も感じることができました。また、この食べ歩きの中で、 テーブルマナーやワインのテイスティング、エスコートの仕方など、会津にいるとあまり実践できないことができ、人生において大変為になりました。 休日は、ポルトを散歩したり、ポルトの観光名所をまわったり、Pedro教授のホームパーティに参加したりして、 ポルトガルを楽しんでいました。
1ヶ月半という、短い期間の滞在でしたが研究・英語・プライベート全てにおいて充実した日々でした。この研修を支援してくださった 全ての人に感謝します。