「幅広い教養と国際感覚を身に着けたICT人材の育成を目指して」
本学は、1993年にコンピュータ理工学を専門とする大学として、開学して以来、社会のニーズの変化に応じて、教育・研究内容を大きく進化させてまいりました。コンピュータのハードウエアやソフトウエアに関する技術から始まって、現在では、 情報通信技術(ICT)の基盤教育の上に、AI,ビッグデータ,IoT,半導体集積回路,医療工学,ロボット,宇宙関連技術などの応用分野での教育・研究が花咲いてきています。
学部では、一学年約240名がICT基盤技術を履修しており、国内の情報系学部で最大級です。現在、約110名の教員が在籍しており、教員一人当たりの卒業論文の指導学生数は、単純平均すると2~3名となり、かなり充実した個人指導が行われています。卒業時には、ICT基盤技術に加えてそれぞれの専門分野を修めているので、昨今のICT技術者不足の状況に対して、本学は非常に大きな力となっていると自負しております。実際、就職率は、大学院ではほぼ100%、学部は平均97%と非常に高いレベルを維持し続けております。
このような教育・研究状況や卒業生の活躍から、近年、国内外の大学ランキングで高い評価を受けております。特に、国際性に関しての評価は、国内でもトップレベルとなっています。開学以来、多くの外国人教員が在籍していることから(現在は40%程度)、学内の公用語は、日本語と英語であり、公式文書は日英併記、公式会議では同時通訳を実施するなどの体制が早い時期から確立しています。学生も卒業論文は英語で執筆・発表を行い、大学院の授業は、ほぼ100%英語で行われています。このようなバイリンガル・システムは、国内の理工系大学では稀に見る存在となっています。
また、外国人教員の率が高いことは、研究面での国際性において非常に大きく貢献しております。本学の外国人教員の多くは、母国を始め、世界中に研究仲間がおり、日常的に国際的な共同研究を行っております。このことで、国際共著論文の数は、国内でも際立って多くなっており、今後もこれらの特徴を活かして、国内外に開かれた大学を目指してまいりたいと思います。
今般、情報系学部間の競争が激しさを増しております。国内での知名度を、より一層高めていくため、高校生や保護者の皆様、ならびに高校の先生方に対して、説明会等の機会を捉えて、私自ら上述したような本学の特徴をしっかりとお伝えし、"本学の真の姿"を積極的にアピールしてまいりたいと考えております。
2023年、本学は開学30周年を迎えました。人間でいえば30歳は、これからますます"脂がのる年頃"だと思います。本学においても今までの30年間の基盤の下に、より一層発展させていきたいと思います。これからも皆様からの御理解と御支援をお願い申し上げます。
2023年12月
公立大学法人会津大学
理事長兼学長 束原 恒夫