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 コンピュータ理工学部のハミード・サジ教授(※1)をリーダーとする研究チームが「スーパーエルニーニョ現象」のメカニズムに関する研究論文が、英国科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」のオンライン版に掲載されました。

 エルニーニョ現象は南米ペルー沖の赤道に位置する海域で海面水温が高くなる現象で、貿易風が弱まることで生まれ、異常気象の要因として知られています。

 スーパーエルニーニョ現象は、そのエルニーニョ現象がさらに激化したもので、これまで「スーパー」級の発生要因は太平洋にあると考えられていましたが、サジ教授以下研究チームは、その発生にインド洋が影響を与えていることを解明しました。

 この研究論文では、海水温や大気の流れのデータを基に、インド洋の海水温変化で発生した強い西風が太平洋に伝播してエルニーニョ現象を強めるメカニズムを明らかにしています。

 サジ教授は「台風や洪水、大干ばつなどの異常気象をもたらすスーパーエルニーニョ現象の予測精度が高まる可能性があり、暖冬や冷夏などが及ぼす日本の経済活動への影響を前もって予測し、対策を打つことも可能になる」と話しました。

※1 ハミード・サジ教授