2025年8月、国際的な学術誌 IEEE ACCESS に、会津大学の研究チームによる論文が掲載されました。論文のタイトルは
Large Language Model-Driven Dynamic Assessment of Grammatical Accuracy in English Language Learner Writing です。

 研究チームは、大学院生のジャガノフ ティムールさんと、教員のブレイク ジョン教授ヴィジェガス ジュリアン上級准教授カー ニコラス准教授の4名で構成されています。

研究の概要
「教師はどのようにして学生に有意義なフィードバックを与えられるのか?」
「AIは本当に学習者に役立つものを生み出すのか?」

このような疑問に答えることが、本研究の出発点となりました。

教育学の研究によって、学習者が最も効果的に学べる方法の一つは、段階的なフィードバックを受けることだと示されています。例えば、最初は暗示的なヒントを与え、必要に応じて少しずつ明示的なヒントへと移行することで、学習者に「多すぎず、少なすぎない」支援を提供することができます。
しかし、従来の授業では、こうしたきめ細かい対応をクラス全員に行うことは困難でした。

LLMを用いた新しい試み
本研究では、大規模言語モデル(LLM)がこのような段階的フィードバックを提供できるかどうかを検証しました。そのために、私たちは DynaWrite というオンラインツールを開発しました。学習者が英文を書き込むと、LLMが文章を処理し、段階的なフィードバックを返す仕組みです。

複数のLLMを比較した結果、OpenAI社の ChatGPT 4o が安定して適切なフィードバックを提供できることが分かりました。これにより、外国語教育において新しい学びの可能性が開かれることになります。

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論文詳細
掲載誌IEEE ACCESS
著者:T. Jaganov, J. Blake, J. Villegas, N. Carr
論文タイトルLarge Language Model-Driven Dynamic Assessment of Grammatical Accuracy in English Language Learner Writing
掲載日:2025年8月
論文リンクhttps://ieeexplore.ieee.org/document/11142695

IEEE Access®について

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