2024年7月17日~19日にイタリアのローマで開催された第14回IEEE/IET International Symposium on Communication Systems, Networks, and Digital Signal Processing (CSNDSP) 2024において、本学のIntegrated Computation-Communication PLatform (iCCL)クラスターの研究論文が最優秀論文賞を受賞しました(1)。

 IET/IEEE CSNDSPは、通信システム、通信ネットワーク、デジタル信号処理、その他関連分野の研究成果を発表・情報交換や今後の研究テーマについて議論する国際会議です。そして、この会議は、光通信ネットワークに携わる研究者/グループでは重要なフォーラムのひとつです。

 受賞論文のタイトルは「FSO-Based Satellite QKD Systems for Protograph LDPC Code Extension with Blind Reconciliation(FSOベースの衛星QKDシステムにおけるプロトグラフLDPC符号拡張を用いたブラインド鍵照合)」であり、光学的低軌道(LEO)衛星量子鍵分散(QKD)システムにおけるブラインド鍵照合(KR)の設計を扱っています。本論文では、プロトグラフ低密度パリティ検査(LDPC)符号を拡張した新しいブラインドKR方式を紹介しており、提案するLDPC構造は、徐々に拡張し、すべての可能な解の中から網羅的に探索することにより構築されます。得られた結果は、異なる乱流チャネル条件において、最新の設計と比較して提案設計の有効性を確認しました。本研究は、会津大学 アン・T・ファン教授率いるiCCLクラスターへの助成金P-6(学内競争的研究費)によるプロジェクトの一部です。

 筆頭著者であるクオン・グエンさんは、ハノイ科学技術大学(HUST)で理学士号を、会津大学で修士号を取得しました。現在、アン・T・ファン教授とホアン・D・レ准教授の指導の下、コンピュータ・コミュニケーション研究室(ファン&レ研究室)(2)で博士号取得(現在D1)に向けて研究中です。彼の研究は、光学衛星システムのためのLDPC設計と量子鍵配布に焦点を当てています。クオン・グエンさんは、IET/IEEE CSNDSP会議でもトラベルグラントを獲得しました。

クオン・グエンさんのコメント
チームを代表してIEEE/IET CSNDSP 2024カンファレンスで最優秀論文賞を受賞できたことを光栄に思います。このような権威あるイベントでの受賞は、研究グループ全体の努力と献身の証です。この場を借りて、貴重な貢献と揺るぎないサポートをしてくださったアン・T・ファン教授とホアン・D・レ准教授に心から感謝の意を表したいと思います。さらに、会津大学から旅費を提供していただいたおかげで、この会議に出席し、研究発表を行うことができました。

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CSNDSP最優秀論文賞の賞状

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CSNDSPからの旅行助成金証明書

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バンケットで賞状を受け取るクオンさん(左から2人目)

(1) CSNDSP 2024

(2) Computer Communications Lab