講義日 | 講師氏名 | 所属および職名 | テーマ | |
---|---|---|---|---|
1 | 4月7日 | 程 子学 | 会津大学 | 講義全体イントロダクション |
石橋 史朗 | ||||
2 | 4月11日 | 石橋 史朗 | 会津大学 | ビジネスアイデアの課題提示 |
3 | 4月14日 | 金 堅敏 |
富士通株式会社 |
イノベーションジャーニーから見た日本 企業・Start-upの課題とその示唆 |
4 | 4月18日 | 中元 淳二 | 会津大学 | ベンチャー企業と知的財産 |
5 | 4月21日 | 馮 麗萍 (Feng Liping) |
ウィングロボティクス株式会社 |
ベンチャー起業家になるための大切なこと |
6 |
4月25日 |
沈 得正 | 会津大学短期大学部 | デザイン思考のベーシック ~ユーザのニーズ発見から解決策の提案までの手法~ |
7 | 4月28日 | 畠 圭佑 | 会津大学 | 産学連携活動とベンチャービジネス |
8 | 5月9日 | 土井 康裕 | 株式会社NIXE 代表取締役 | 人脈を作るベンチャースピッツとは |
9 | 5月12日 | 馬場 寛朗 | JMCA馬場寛朗経営コンサルタント 事務所長 経営士 |
未来に向けた創業&働き方指南について |
10 | 5月16日 | 芹澤 尚史 |
KDDI 株式会社事業創造本部 |
日本におけるデジタル変革(DX)と KDDI DIGITAL GATEの取り組み |
11 |
5月23日 |
木村 正昭 |
一般財団法人とうほう地域総合研究所 |
福島県の経済と産業 |
12 | 5月26日 | 渡部 英人 | 起業ペースメイカー | 今のままの自分で起業する ~ご縁と心の世界で見つけた成功と幸せの関係~ |
13 |
5月30日 |
伊藤 真人 |
バンプージャパン株式会社 |
東南アジア発エネルギー企業の事業転換 ~コーゼーションとエフェクチュエーション~ |
14 | 6月2日 | 石橋 史朗 | 会津大学 | イノベーション・創業教育プログラム及び 3段階インターンシップについて ビジネスアイデアの発表会 |
光永 祐司 |
ベンチャー基本コース各論Ⅰ 第1回
2022年4月7日(木)
程 子学 教授、石橋 史朗 教授 (産学イノベーションセンター)
会津大学教員
イントロダクション
今回は授業のイントロダクションとして、程教授と石橋教授による会津藩校日新館や会津IT日新館、今後の講義概要およびベンチャーや起業家にまつわる話を講義していただいた。会津という地のきわめてローカルな部分から、ウィズコロナにおける新たなサービスの可能性、ベンチャーを軸とした幅広いビジネスに関する話をいただいた。今後の講義における学生の取り組むべき内容や、これからにどう生かせるかがわかりやすく示されており、本講義のイントロダクションとしてふさわしい内容であったと考える。これらを踏まえることにより、今後の外部講師の講義も傾聴し学習の機会とする学生が増えることを期待する。
<学生の感想>
・今回の講義を受けて、ベンチャーについてもっと知りたいと思いました。今までベンチャーには興味があったものの、自分から調べることがなかったため、このような機会を通して、ベンチャーについて知識を増やしていきたいと思います。
・初回ということで、講義を受ける際の心構えを知れたのはよかった。今後は自分から役立つ情報をつかみに行くことを意識して最終回まで受講したい。また専門性が高いかどうか、働き方が固定的かどうかで大まかに職を分類できることが分かったので、この分類と照らし合わせながら自分はどのように働きたいのか見つめなおしたい。今回はこの資料が一番印象的だった。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ 第2回
2022年4月11日(月)
石橋 史朗 教授 (産学イノベーションセンター) 会津大学教員
アイデアの創出法
今回は、会津大学産学イノベーションセンターの石橋先生にアイデアの創出方法について講義を頂いた。講義の前半では、発想のヒントや企画書を作成する上でのアドバイスが紹介された。発想の観点として、既存の「資源」や「機能」、ニーズ、組み合わせ、掘り下げ、発想の転換、機能の集約、状況を変える、体験を変えるなど11のヒントが与えられた。また、企画書を作成する上では、概要、ターゲット、使われ方、メリットを押さえて書くことなどが大事なポイントとして挙げられた。講義の後半ではアイデアの創出を実践した。「会津にこんなアプリあったらいいな」をテーマに行われる企画コンペを題材にした。今日は5月締め切りのレポートに先立ち、4~5人のグループを作りマンダラートを活用したアイデアの創出を実践した。学生は真ん中に記入した自分のアイデアから意見・アイデアが派生していく過程を実際に体験した。ビジネスプランの作成については、ニーズからアイデアを考案し、既存サービスのPainを検討する流れについて過去事例を参考にしながら学んだ。
<学生の感想>
・アイデアコンテストを通して、自分のアイデアをさらに掘り下げ、具体化する能力を向上させたい。
・アイデア抽出方法について、頭の中だけではなく紙に起こすことも重要だと感じた。
・ブレインストーミングは、様々な考えを平均化することが出来る、多くの人に親しまれやすい手法だと思った。
・誰でも思いつきそうなアイデアばかり思いついてしまってダメだと思っていたが、アイデアを練ることで良いアイデアが出る可能性があることを知れた。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ 第3回
2022年4月14日(木)
金 堅敏 様 (富士通株式会社 グローバルマーケティング本部)
イノベーションジャーニーから見た日本企業・Start-upの課題とその示唆
今回は、外部講師として金堅敏様に講義をいただいた。センサー研究から心電図シンクタンクへと移籍したという経歴から、幅広い分野で活躍していらっしゃったことがうかがえた。リスクを避けがちで、安定志向が根付いた日本人だからこそ起業(start-up)の機会が少ないと思っていたが、それ以上にscale-upが進まず、成長がなされていないことが大きな問題だったことは意外だった。確かにベンチャーなどの新興企業は小規模な運営実態で狭いニーズに応えていくものだと思っていた自分がおり、成長させ国際競争に備えることの大切さを実感した。ベンチャー企業の活躍がひいては日本経済の活性化につながることになるだろう。そのためにも、根本的なやる気だけでなく既存のプラットフォームを利用するなどの効率的な方法、知識も重要だと認識できた。グローバルに、というのは簡単だが実際にどのように考えるかをよく知れたのはとてもありがたい。
<学生の感想>
・今日の講義を聞いて、日本人が日本の経済に関心がなかったことを痛感しました。私も、なるべくリスクを避ける傾向にあります。日本の経済を活発にするには、こういった気持ちを少しでも払拭する必要があると思います。また、日本は技術面においては強いと思っているので、環境次第では発展するのではないかと思います。ただ、日々多様化する世の中で消費者のニーズに合わせて、継続させることは簡単なことではないと思いました。
・日本を客観的な視点から問題点を指摘していた。「◯◯はダメ」とか「◯◯が少ない」などはっきりと言い切っていたので、説明が理解しやすかった。新しい考え方のヒントになったと思う。1番印象深いのは、「日本人は投資しない」という発言だ。海外のベンチャー企業は成長のために惜しまず投資するとのことだった。そして日本は自動車産業を始め、技術はあるが売り込むことが下手だしやらないと話してもらった。元々起業に興味があったので今回得た知識を活かして行動に移せたらと思う。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ 第4回
2022年4月18日(月)
中本 淳二 教授 (会津大学教員)
ベンチャー企業と知的財産
今回は「ベンチャー企業と知的財産」をテーマに知的財産の基礎を学んだ。授業の最初に仮想ケーススタディを取り上げ、知的財産の必要性・意義について考えた。知的財産の分類、種類について学んだり、特許の仕組みや手続きの流れを学んだりした。また、具体的な例として特許権が登録された実際のプロダクトなどがいくつか紹介され、自分達が日頃使っているサービスや商品などに特許が利用されていることを実感した。また、商標にも色々な種類があり、立体や色彩、音など、普段飲んでいる飲料のパッケージの形だけでなんとなく商品が想像出来るのも商標のお陰であることが分かった。また、知財を基に創業した会社が多く、ビジネスモデルの防御、融資の際の根拠、大企業との対等な交渉のための材料などになることが講義を通して学ぶことができた。
<学生の感想>
・知的財産権を活用することで色々な損害から身を守ることができ、市場を独占することで更なる利益を得ることができたりなどの知的財産権の重要性が良く分かった。
・ベンチャー創業者や高専生、大学生がユニークなアイデアで特許を取得している例を見て、非常に感心した。自分も将来斬新なアイデアで特許を取得したいと思った。
・将来的に、知的財産権を認められ、特許となったアイテムやサービスが増えれば増えるほど、どんなアイデアを考えても、それが間接的に知的財産権を侵害していると言われる危険性が出てくるのではないかと思った。
・これから事業を始めていくにあたってトラブルを引き起こさないように、自分の知財を守れる様に知識をつけていこうと思った。
・スタートアップにおいて、知的財産の活用は重要な部分を占めており、活用する際はしっかり留意しなければいけないことが分かった。会社を立ち上げる際、知的利用をうやむやにするのではなく、明確化して挑もうと思う。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ 第5回
2022年4月21日(木)
Liping Feng 様(ウィングロボティクス株式会社 代表取締役社長)
ベンチャー起業家になるための大切なこと
今回は、Liping Feng様にお話をいただいた。特に今回の内容は、起業に関して独特な焦点からのお話となっており、印象に残りやすかった。当然起業にまつわる話であり、同氏の経験を踏まえた上で多くのことを学べたが、盲目的に起業の利点、およびその実態を語るだけでなく、起業を控えるべき時などそういった面でも理解を深められた。実業の中で感じた幸福観への疑問などが知識以上に経験として伝わり、幸福感について考える時期はいずれ自分にも来るのだろうと思った。起業や就業においては労働条件や賃金のみでなく、本当に欲しいもの、必要なものを見定めて働くことも必要だと感じた。いずれ経験すると予想されることを他社の経験として学べる機会というのは、貴重だと思う。それを考えるためのレバレッジ、マインドセットなど知識にも事欠かない講義で心に残った。
<学生の感想>
・幸せの本質を問われたとき、起業や忙しすぎる仕事が自分を幸せから遠ざけることもあるのだと感じた。自分は永久的な幸福感を求めたいと思った。起業やベンチャー企業はお金を普通より得られる可能性がある。それが動機で始める人が多いらしい。その努力が自分の生活とか家族とか趣味とかの時間を全て奪うほどのものだとしたら敬遠すると思う。どちらも求めることだってできるだろうし、その辺りをこれから考えていく。
・非常に興味深い話ばっかりだった。講義の内容は、ベンチャー起業の話だけでなく、幸福感や自身の経験、人生のビジョン、環境、ロボットなどどれも面白かった。ロボットを正確に使える人は全体の1%にも満たない人たちだけで、残りの99%の人達は使えない。そのために、スマホからロボットを遠隔で操作できるシステムを作っているなどの話は自分の将来に役立ちそうだった。もっと広い視野をもって、さまざまな分野の勉強をして、可能性を狭めないようにしていきたい。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ 第6回
2022年4月25日(月)
沈 得正 様(会津大学短期大学部)
デザイン思考のベーシック ~ユーザーのニーズ発見から解決策の提案までの手法~
本日の講義は、沈得正先生からデザイン思考についてご講義頂いた。授業の最初にデザイン思考について知っている人を聞いたところ、教室から2、3人程度手が挙がった程度であり、ほとんどの人がデザイン思考について初めて学ぶ機会となった。デザイン思考とは、一般に言われるデザインだけでなく、考え方の根本にフォーカスした理論であることが強調された。また、デザイン思考においては問題の本質を捉えることが必要であり、表面上の問題でなく、人々が本当に望むものを提供することが大事になってくる。 デザイン思考の概要について説明の後、製品開発の変遷、プロセスについて説明を頂いた。製品開発は、プロダクトアウト→マーケットイン→マーケット創造の流れを経ており、ユーザーへの提案型デザインが求められている。デザイン思考のプロセスについては、共感、問題定義、創造、プロトタイプ、テストの5つのステップに分けられており、正しい問題を見つけて正しい解決策を導く流れが構築されている。講義では、各ステップについて説明がなされ、学校の事務職員の事例を基に問題定義を実践した。
<学生の感想>
・デザイン思考とは何なのか、対象者目線でニーズを見つけることの重要さを詳しく知ることが出来た。ニーズには潜在ニーズと顕在ニーズが存在すること、潜在ニーズを探り出す方法など、ユーザーのニーズにおいても、とても勉強になった。
・何かを作るときにデザイン思考は、人に使ってもらうためにとても大事な要素だと思った。また、課題の本質を見つけるために、「なぜ」を繰り返すということがとても参考になった。
・デザイン思考は、理由を深掘りすることや、とにかく試作品を試すことが重要で、これによって潜在ニーズがより明らかになり正しい問題解決につながることが分かった。
・潜在ニーズを意識することで既存の物やツールではない、新しい物や価値観を生み出せるのではないかと思った。誰かの潜在ニーズを探るのも面白そうだが、自分自身の潜在ニーズを見つけることが出来たらもっと面白いと思った。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ 第7回
2022年4月28日(木)
畠 圭佑 准教授(会津大学教員)
座学連携活動とベンチャービジネス
今回は、学内講師として産学イノベーションセンターから、畠先生に講義をして頂いた。企業と大学の共同研究においては、企業のニーズに合わせた研究シーズが必要となり、その体制についての話から、実際に会津若松市内で行われた事例としてモビリティデータ解析プロジェクトを紹介頂いた。社会現状に合わせたカーシェアサービスを提供すると共に、得られたデータについてもマクロに解析を行った。社会課題や問題の解決にはニーズが生まれ、お金の流れが発生する。鳥獣被害や他の社会問題、課題に対して、解決策やサービスを提供する可能性を考慮された。ワークショップとして講義内で学生の意見を踏まえた上での話の展開となった。実際に考え、身近な問題について学生も参加しやすい講義は活発でよかった。
<学生の感想>
・本講義ではアイデアを生み出すことそのものや、その訓練を行うことができたと思う。私は他人よりもそこらのカラスの方が好きだと思う人間故、おそらくこのまま生きていたら鳥獣被害を解決するアイデアを考えることはなかっただろう。そのため、今日の授業はとてもいい体験になったと言えると思う。今後は自分の興味がある物だけでなく、様々なことについて考えを巡らせる必要があるなと感じた。
・身近な問題を探して解決するアイデアをたくさん考えることができたので頭の体操になりました。ほかの人の意見もいいインスピレーションを得られてとても有意義な時間となりました。ICT を活用して社会問題を解決する時代に入っているため、もっと知識を付け社会問題に目をむけ、広い視野を身に着けたいと改めて実感しました。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ 第8回
2022年5月9日(月)
土井 康裕 様(株式会社NIXE 代表取締役)
人脈を作るベンチャースピリッツとは
本日は、「人脈を作るベンチャースピリッツ」と題して、トラックドライバーからIT系の会社を立ち上げるという異色の経歴を持つ土井様にご講義頂いた。自動車整備工場→営業職→トラックドライバー→IT転職→フリーランス→会社設立というキャリアパスを描いてきたが、どの仕事も良い経験が得られたと振り返る。営業職では、相手との良好な関係を作ることの重要性を学び、IT系企業では仕事だけでなく学びの環境が整えられており、色々な技術を身につけることが出来た。フリーランスから再就職することになっても、諦めずに立て直しを目指した。2人で設立した会社では、営業で仕事を頂いて1人で開発をするサイクルを回していた。この経験から残業ゼロの会社を目指すことになった。自分自身が苦痛だったことから、この経験は絶対に他の人に強要しないことを決意した。また、苦手分野の克服よりも得意分野のスペシャリストを目指すスタイルを確立し、働く上で苦痛なことを出来るだけ取り除くことに専念した。現在の会社では、その他にも相手の事を気に入ることや、断らないこと、フットワークを軽くすることを意識してきた。また、講義の最後にあった「夢は変わる」という土井様の言葉が印象的であった。時代、経験、見てきたもので夢は何回変わっても構わないというメッセージは、「夢」に悩む現代の若者に刺さる言葉であったと思う。
<学生の感想>
・野心や情熱が将来を左右するのだと感じた。夢を諦めないようにしたいと思った。
・やりたいことに真剣に向き合っていて、最後までやり切るのがとてもすごいと思った。自分もやりたいことをもっと真剣にやろうと思った。
・努力次第でいつからでもやりたい事を仕事にできることを知った。また、やりたいことがコロコロ変わってもそれに素直になっていいのだと励みになった。
・人脈が起業して仕事をするときにとても大切だと改めて思った。フットワークをもっと意識して軽くしていこうと思った。また、嫌なことを我慢して続けずに時間を無駄にしないという話も参考にしたい。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ 第9回
2022年5月12日(木)
馬場 寛朗 様(JMCA馬場寛朗経営コンサルタント事務所長)
未来に向けた創業&働き方指南について
今回はJMCA馬場寛朗経営コンサルタント事務所長・経営士の馬場寛朗様にお話をいただいた。主に企業の生存戦略、基本的対処法が前半に挙げられていた。ITにおいても物づくりにおいても通用しうる、人間としての正しさに関して7つの方向性を提示し、大変化の時代においてどのように対処すれば良いか、その生き方を学んだ。経営についても経営指針の4層別考え方を示されていた。短期的なものだけでなく、人生経験の浅い我々には見通しのつかない長期の思考が経営には必要だと感じた。新時代を生き抜くためには様々な能力が必要なのは言うまでもないが、特に必要なのはこのような話を聞ける機会に触れ、それを吸収・実践し、身に着けていくことだと思う。当然何を理解していないのかを知るためにも、情報を得ることは必要不可欠ではあるが、その先の行動にこそ新時代を生き抜く術があるのだろう。
<学生の感想>
・経済低迷が進む中、前向きに行動しようとしても情報社会の複雑さから雁字搦めで何から手を付ければよいのか、どのように解決する方法を見出せばよいのかと悩んでいます。
・本日の講義でもお話があったように、これからの社会情勢は自分ではどうにもならないため、考えても仕方のないことに頭を悩ませず、自分軸で考えできることから始めていこうと前向きになれました。大学の間に学びたいことを学びます。
・今回の講義を受け、創業や働き方について対処法や生き残り方について知ることができた。しかし、今の自分はまだ起業等についてまだ本格的な見通しがなかったので、今回の講義内容はなかなか実感が湧かなく、取り扱う内容が非常に難しかった。講義後半の新時代のキーワードやコンセプトについて、これらはどの時代にも通じる基本的かつ一般的で、今の自分に重要な考え方だと感じた。これらの重要事項を意識しながら、今後創業等について深堀していきたいと感じた。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ 第10回
2022年5月16日(月)
芹澤 尚史 様(KDDI株式会社 事業戦略本部 KDDI DIGITAL GATEセンター長)
日本におけるデジタル変革(DX)とKDDI DIGITAL GATEの取り組み
今日の講義はDXから始まった。そもそも3年前はDXという言葉はなかった。DXにまつわる言葉として、Digitization, Digitalization, Digital Transformationがあり、それぞれ既存の仕組みにデジタル技術を適用すること、ビジネスモデルの変革や新たな仕組みを創出すること、デジタル技術が溶け込むことで社会の仕組みや人々の生活がより良い方向に変化することを指していることが説明された。言葉の定義では分かりづらいが、DXはこれまでのテクノロジー先行での革新から、人々の生活の変化や変容を意識したものに変わっていっていることが特徴である。 また、DX推進の要素として5Gが重要な役割を担うことが強調された。通信会社として通信の強みを活かしながらDXの実現に尽力されている。講義の後半では、デザイン思考の実践的なワークショップを行った。デザイン思考については、以前に別時間で授業の中で学習をしており、今回は実践の機会として学生は取り組んでいた。気付きを得るための手段が方法化されており、再現性のある手法が確立されていることを実感した。また、問いの立て方にも工夫が必要なことが分かった。
<学生の感想>
・DXは今後エンジニアとして働いていく人間にとっては身近になる言葉だと思うし、知っておくべきことだと思うので、今回でその概要が知れたのはいい機会だった。
・「新しい技術を使って何かを作りたい」ということではなく、作りたいものを実現するために技術を使うことが大切だと分かった。
・DXを推進、促進する上で、とにかく小さなことから始めて徐々に機能を拡充していくことが重要だと分かった。
・デザイン思考をハッカソン、アイデアソンに上手く使えれば面白い問題発見、解決ができるのではないかと思った。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ 第11回
2022年5月23日(月)
木村 正昭 様(一般財団法人とうほう地域総合研究所)
福島県の経済と産業
今回は、とうほう地域総合研究所の木村様より、福島県の経済と産業に焦点を当てて、そのこれからについての講話をいただいた。実際の数字を元に県内のみならず国内、海外にも目を向けた内容となった。実際に数字でみると、これまで見られなかったものも見えた。特に県外への人口流入、人口減少については震災によるものと考えていたが、福島県も日本全体として進んでいる一極集中の影響を受けており、震災以前から進んでいたことがわかった。震災や台風、コロナ禍による影響を受けながら変化している経済を踏まえ、その中に新たたな技術やサービスが存在しており、辺境の福島においてもその根付きを感じられた。不安定な要素が多い時代であり、従来の経済にとって不都合な状況が続いているが、情報を整理することで解決策も見えてくるだろう。
<学生の感想>
・県の経済状況や人口などの将来推移、産業構造などを知ることができ、福島県の特徴を再認識することができた。発電設備に関する地理的条件は優れているので、そのような設備を拡張すれば県の経済も発展していくだろうが、人口減少で設備管理に割ける人材の不足も懸念されるため、手放しでは推し進められないのだろうなと思った。やはりいかに人の手を使わずに機器や機械を維持できるかが今後の経済成長のカギとなるのかもしれない。
・福島のみにかかわらず、東北地方は国内でも特に少子高齢化が進んでいるため、いち早く解決策を見つける必要があると感じています。現在、コロナ渦と原油価格高騰、ウクライナ情勢により景気が厳しくなっていくと思います。周りのネガティブな要素に流されず自分たちでできることをやろうと自分軸で考えていくことが大切だと思いました。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ 第12回
2022年5月26日(木)
渡部 英人 様(起業ペースメイカー)
今のままの自分で起業する ~ご縁と心の世界で見つけた成功と幸せの関係~
本日は、理系大学出身で心理カウンセラー、起業コンサルタントとして個人事業主のメンタル・独立支援を行う渡部様にご講義して頂いた。心理カウンセラーになったきっかけとしては、自分自身が会社員時代にメンタルに問題を抱え、そこから心理学について勉強し始めたことがきっかけだった。自分の思い込みや価値観の偏りが問題を引き起こすということが分かったという。講義では途中で定期的に、自分にとっての幸せ、成功、尊敬する人、嫌いな人、苦手な人など自分と向き合う時間が設けられた。前提として社会では価値観の多様化が進み、幸せも多様化している状況があり、悩みが増えていることが触れられた。また、結果的にそれらの悩みを解決するサービスも増えるという循環が起きている中で、何のために起業するのか考えさせられる講義となった。
うまくいかない時の対策方法として、「自分らしさを崩していくこと」や「やりたくないことをやめてやりたいことをする」や「本当にやりたいことなら損してでもやる」などニュートラルな考え方を持つことが大事であることが紹介された。
<学生の感想>
・自分の弱さを曝け出すことがより人と上手くやっていくことに繋がることが自分の経験にもあるなと思い感動した。言語化できていなかった部分が今日の講義で具体化出来た。
・自分を見直すことから企業やビジネスに結びつける講義で興味深く受講できた。
・起業に際したメンタル関係の話だったが、今までとは違う切り口でとてもためになった。
・「自分のこだわりを捨てることで変わることができる」という言葉が印象に残った。
・常識、当たり前、〇〇すべきなどという言葉は視野を狭め、行動を阻害するという話を聞いて、これからは自分、相手に対して使わないようにしようと思った。
・今まで、ビジネスと幸せを結びつけて考える機会がなかったため、新鮮かつ改めて自分がどういった人間なのかを振り返る機会になった。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ 第13回
2022年5月30日(月)
伊藤 真人 様 (バンプージャパン株式会社 会津若松支社長)
東南アジア発エネルギー企業の事業転換 ~コーゼーションとエフェクチュエーション~
今回は、バンブージャパンの伊藤様より、エネルギー事業に携わった経験についての講話をいただいた。プロジェクトマネージャーとしてエネルギー事業に携わりつつ、エネルギー産業での様々なビジネスモデルの提案をしてきた中で得た集団としての物事や、アプローチを語っていただいた。特に近年必要性が増している再生可能エネルギーを、都会のみならず地域から発信していくアプローチの大切さを認識した。世界的に再生可能エネルギーの必要性、有用性がうたわれるなかで、それを盲目的に推進するのではなく、正しい成長のアプローチを経て進めていくことは重要だと感じた。自分にできること、わかること、友人の特技など、自分たち自身を知ることによって進められるアプローチを求めていきたい。
<学生の感想>
・とても興味深い話をありがとうございました。講師の方の今までの生き方をゼロから追って話していただきとてもわかりやすかったです。特に、エクソンをやめて自分のやりたいことを追い、海外で会社を設立したあたりの話は引き込まれました。自分もいずれかは会社を設立して何か人の生活に影響を及ぼしたいと考えているので参考になりました。
・後半のビジネスの話は、自分が知らないことばかりだったので興味深かったです。また、途中途中のお金の話がためになりました。アジア経済危機は実際どうなっていたのかがよくわかりました。
・価値観の共有は大切だと感じた。一緒に仕事をする上で、同じ方向を向いてないと上手く協力できない。コミュニケーションを円滑に進めることが成功に繋がると思う。あと、自分の得意ではない分野は他の人に任せるということを話された。全く知識の無い人のアイデアだと上手くいかないとは思うが、発想力を活かせる人がアイデアを出して周りがサポートしたり技術者が現場に出向いたりなど、全てを個人が行うのではなく、得意を出し合える環境だと良いサービスや発明に繋がるのだと感じた。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ 第14回
2022年6月2日(木)
光永 祐司 上級准教授(スーパーグローバル大学推進室・室長)、石橋 史朗 教授 (産学イノベーションセンター)
会津大学教員
イノベーション・創業教育プログラム及び三段階インターンシップについて
ビジネスアイデア発表会
今回の授業では、会津大学SGU推進室の光永先生に学内で実施しているインターンシップについて紹介・説明して頂いた。2020年に創設されたグローバル創業教育では、創業教育と創業支援に注力しており、創業教育では学内に寄付講座などが設定されているほか、認定研修が用意されている。創業支援では、座談会や起業の相談を受けられる準備が整っている。チャレンジャーバッジ制度や三段階インターンシップ制度の紹介もあり、大学が用意するプログラムを認知する機会となった。
また授業の後半では、「会津にこんなアプリがあったらいいな」をテーマにアイデアの発表会があった。アイデアの発表は5件行われた。1件目は、より安全に運転をしたいという発案者自身の体験から生まれた会津若松ナビサービスで、安全な道の検索を提供するものであった。2件目は、若者のやりたいを叶える地域最適化のクラウドファンディングアプリで、支援を求める人と支援したい人を繋ぐプラットフォームの提案であった。3件目は、メタバースを活用したECサービスで、ユニークさを売りにした提案であった。4件目は、高齢者の外出を手助けするアプリで、積極的な外出により認知症予防などの医療的なメリットを引き出そうとした提案であった。5件目の、ABC~会津B級品直送サービス~は、地元の食材を全国に届け、地元の商品の魅力をPRするものであった。
<学生の感想>
・魅力的なアイデアが発表されていて、どこに着眼点を置いているのか聞けたのがとても参考になった。
・同年代の方が考えたビジネス案を聞くことができ、より身近にビジネスや起業を感じた。
・アイデアコンテストでは、自分が想像していなかった視点のアイデアばかりでとても勉強になった。
・インターンについては、とても興味深く自分もいつか海外に行きたいという思いが強くなった。
・今日の講義で、自分の起業に対する知識がまだまだ不足していると痛感した。これから積極的に学んでいきたい。
・大学のインターンシップは様々なプログラムが用意されていることを知り、参加を検討したいと思うようになった。