講義日 | 講師氏名 | 所属および職名 | テーマ | |
---|---|---|---|---|
1 | 4月9日 | 程 子学 | 会津大学教員 | 講義全体イントロダクション |
石橋 史朗 | ||||
2 | 4月12日 | 石橋 史朗 | 会津大学教員 | ビジネスアイデアの課題提示 |
3 | 4月16日 | 村重 慎一郎 | アクセンチュア株式会社 | データアナリティクス講座(1) データサイエンス概論 |
4 | 4月19日 | 有賀 三夏 | 東北芸術工科大学 | 創造的イノベーションに挑戦 ! |
5 | 4月23日 | 村重 慎一郎 | アクセンチュア株式会社 | データアナリティクス講座(2) 課題定義・仮説立案 |
6 | 4月26日 | 大我 猛 | SAP ジャパン | ドイツ企業がシリコンバレーで学んだイノベーションの起こし方 |
7 | 5月7日 | コーネット 可奈 | アクセンチュア株式会社 | データアナリティクス講座(3) 統計データ分析の基礎 |
8 | 5月10日 | 綾塚 祐二 | 株式会社クレスコ 技術研究所 | 眼科画像と機械学習 ~医工連携の一例~ |
9 | 5月14日 | 村重 慎一郎 | アクセンチュア株式会社 | データアナリティクス講座(4) 基本統計量・相関分析 |
10 | 5月21日 | コーネット 可奈 | アクセンチュア株式会社 | データアナリティクス講座(5) 単回帰・重回帰・決定木分析 |
11 | 5月24日 | 光永 祐司 | 会津大学教員 | SGU関連インターンシップの紹介 ビジネスアイデアの発表会 |
石橋 史朗 | ||||
12 | 5月28日 | 村重 慎一郎 | アクセンチュア株式会社 | データアナリティクス講座(6) 総括・総合発表 |
13 | 5月31日 | 横山 恭一郎 | 野村證券株式会社 投資情報部 | ITが生み出す未来のイノベーション |
14 | 6月4日 | 池田 知之 | 東北芸術工科大学 | 起業後に必ず体験するパターンと 社長の役割 |
6月 | 期末試験 |
ベンチャー基本コース各論Ⅰ第1回
2018年4月9日(月)
程 子学 教授 (副学長・グローバル本部長)、石橋 史朗 教授 (産学イノベーションセンター)
会津大学教員
科目の概要と受講の心得
今回は、程先生と石橋先生にこの講義の概要と受講の心得について講義していただいた。まず、会津IT日新館の講義は幅広い知識と実践能力の向上、対話的な授業と学年の垣根を越えた学生主体的な工房活動が特徴であり、本講義では外部講師によるデータサイエンス講座も学ぶことができる。つぎに、受講の心得として、インタラクションの仕組みが重要であるとお話しされていた。そして、海外研修やインターンシップについての他にも、ライトイノベーション・ライトビジネスの体験や、enPiT、大学発ベンチャー、起業家精神について等、普段学生たちが聞くことのできない様々な内容であった。これを機会に学生たちには外部の方々が関心を持つような積極性や課外活動を通した様々な経験を身に付けてほしいと思う。
<学生の感想>
・広い視野を持つために海外研修やインターンシップなどはなるべく行った方がいいとわかった。
・ここ最近の授業で一番聞いていて良かったと思えるものであった。
・名刺を作り、ベンチャーに対するモチベーションを上げようと思いました。
・自分のやりたいことを見つけるヒントになるように1つ1つの講義を聞きたいと思います。
・企業がどんな人材が欲しいのか、今の自分と照らし合わせて改善点を見つけるきっかけになりました。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ第2回
2018年4月12日(木)
石橋 史朗 教授 (産学イノベーションセンター)
会津大学教員
ビジネスアイデアの課題提示(会津IT日新館 アイデアコンテスト)
今回は、石橋先生にビジネスアイデアの課題提示として、アイデアコンテストの概要について講義していただいた。最初に、今年度のレポートテーマは「会津にこんなアプリあったらいいな」であり、会津の特徴とITを活用した、商品化・事業化が可能なアプリケーションのビジネスプランを作成するということである。続いて、アイデアの創出法として、発想のヒントとなり得る多数のアドバイスを紹介されていた。実際にマンダラートによるブレインストーミングでアイデアを抽出する演習など、学生は新たなアイデアを創出するノウハウを学習できたことであろう。最後に、ビジネスプランの作成について具体的な事例を用いながらお話しされていた。是非学生たちにはオリジナリティー溢れるアイデアを生み出してほしいと思う。
<学生の感想>
・マンダラートの演習が楽しくでき、自分自身が想像しなかったアイデアが出てきたのでよかった。
・自分1人で思いついたことをみんなでアイデアを広げて便利にしていくことで色んな人に使ってもらうビジネスへとつながることを知りました。
・自分以外の人の考えを知ることもできたし、自分のアイデアにプラスのアイデアをしてもらうことができとてもよかった。
・アプリなど多くの人のためになるものを実際に作るためのアイデアを出してまとめるというような機会はなかなか無いので難しいとは思いますが、しっかり取り組みたいです。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ第3回
2018年4月16日(月)
村重 慎一郎 様(アクセンチュア株式会社 デジタルコンサルティング本部 シニア・マネジャー)
データサイエンス概論 ~データサイエンスに求められる要件~
今回は、村重様にアクセンチュア株式会社のご紹介とビジネスにおけるデータサイエンスの概論について講義していただいた。最初に、先進テクノロジにおけるデータサイエンスの位置づけは、黎明期を抜け、これから普及に向けたステージへと向かっていくとお話されていた。続いて、データサイエンティストとは、データから価値を創出し、ビジネス課題に答えを出すプロフェッショナルである。世界的にデータサイエンティストの需要が増加していく中で、日本では人材不足が深刻であり、これからデータサイエンティストを育成することが急務である。最後に、データサイエンスの実践事例をいくつか紹介された後、実際に「A市の地方税の滞納未回収額を減少するためのプロジェクト」というテーマで、グループワークを行った。様々な考え方や意見がありとても充実した時間であった。学生たちはデータサイエンスとは何かを学ぶことができたと思う。
<学生の感想>
・データサイエンスのアナリティクスによって見えない情報が可視化できることがとてもすごいと思った。
・将来、自分が仕事をする時のことを考える上で、有意義な時間だった。
・STEMやデータサイエンス人材への需要が高まっている世の中なので、そのような社会が欲しがる人材になりたいです。
・データサイエンスとは何かを知ることができた上に、実際に活用されている事例などもあったおかげでこれからの可能性を感じました
ベンチャー基本コース各論Ⅰ第4回
2018年4月19日(木)
有賀 三夏 様(東北芸術工科大学)
創造的イノベーションに挑戦!
今回は、有賀様に芸術思考について講義していただいた。まず、この講義で述べられた「芸術」とは、多くの人がイメージしやすい技術面の芸術または美術とは少し異なっている。それは、「未来を構想し、実現に向かう思考」や、「現実にはまだ存在していない『もの』を実現させる能力」などの未来的な思考法のことである。この「今にはない何かを生み出す力」が創造イノベーションであると考えられる。よくデザイン思考と比較されるが、デザイン思考とは最初にテーマがあり、そのテーマに向けての解決法を探るための思考法であるため、異なることがわかる。また、美術とは小さい頃から創造性を身につけることができるため、何をどうしたらいいのかという考え方に抵抗をなくす効果があるとお話しされていた。さらに、創造性イノベーションについてのいくつかの事例やユニークなビジネス展開の事例について紹介されていた。この講義を通して、学生は芸術思考という思考法を知ることによって、創造性についての理解を深めることができたと思う。
<学生の感想>
・今まで考えていた芸術とは違う、脳内で新たな物を創出すること自体が芸術だという事が理解できました。また芸術のあり方について教育面において改善する必要があると感じました。
・コンピュータとは一見全く関係のなさそうな分野の話であったのにも関わらず、様々な分野でつながりのある興味深いお話でした。特に芸術思考は根本的な部分を理解した上で解決すべき問題と解決方法を考えられる素晴らしい考え方だと感じました。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ第5回
2018年4月23日(月)
村重 慎一郎 様(アクセンチュア株式会社 デジタルコンサルティング本部 シニア・マネジャー)
課題定義・仮説立案
今回は、村重様にビジネス課題の課題定義・仮説立案について講義していただいた。まず、「データ分析によりビジネス価値を創出」するためには、本質的な課題の特定と優先順位付け、そして対応策の仮説立案を適切に行うことが必須である。また、課題定義や仮説立案をできるようにするために、まずはMECE判定ができるような、考えるクセをつける。そして、多段階のツリーで考え、レベルを揃えて適切にグルーピングすることがポイントである。つぎに、グループワークでは前回のテーマについていくつかのグループが解決策について発表した。さらに、プロジェクト型演習では、グループ毎に会社名と各メンバーの役割を決めた後、現在の状況を示したいくつかの資料に基づき、課題と達成目標を定義し、そのために検証しなければならない仮説の立案を行った。学生たちは、プロジェクトを通して課題定義や仮説立案とは何かを学ぶことができたと思う。
<学生の感想>
・ビジネスにおいてデータをどう分析すれば良いか、課題と目標をどう整理するか学ぶことができた。今後のプロジェクト演習もがんばりたい。
・仮説立案の際、一つの視点だけではなく、視点の転換をすることが大切だと感じた。
・知識の無かった前回の演習と比べて、少しでも考え方を学んだ今回は課題解決の道が立てやすく、データ分析の重要性が分かりました。
・データや統計を用いた上で優先事項を考えるという考え方がとても勉強になりました。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ第6回
2018年4月26日(木)
大我 猛 様(SAPジャパン株式会社 バイスプレジデント チーフカスタマーオフィサー 兼 デジタルエコシステム統括本部長)
ドイツ企業がシリコンバレーで学んだイノベーションの起こし方
今回は、大我様にドイツ企業がシリコンバレーで学んだイノベーションの起こし方について講義していただいた。最初に、昨今はテクノロジーの進化を受け、デジタルによる企業変革が圧倒的なスピードで拡大し続けている。グローバルでの最新の事例から、デジタルエコノミーは企業の経営課題の不確実性を生み出していることがわかる。つまり、ビジネスの再創造が必要である。そのため、課題を発見しイノベーションを意図的に起こすための手法として「デザイン思考」が注目されている。イノベーションはヒトのニーズ、ビジネス価値、技術的実現性が出会うところで生まれるとお話しされていた。続いて、学生がペアを組み、デザイン思考の実践的な演習を行った。学生から積極的に参加する様子が伺えた。最後に、シリコンバレーで大事にされている「プロトタイプ文化」についてお話しされていた。挑戦し続けることは失敗し続けることと同義である。つまり、リスクを回避せず、勇み足でミスを犯す、この最も安く最も早く失敗できる方法がプロトタイプである。ゆえに、シリコンバレーは新陳代謝が促進するのである。今回の講義を通して学生はデザイン思考についてイノベーションの観点から学ぶことができた。将来学生にはこの経験を生かしてほしいと思う。
<学生の感想>
・今まで受けた演習の中で一番自分の身になったと感じることができた。
・フィードバックを受けることによって、そこからより良いものを作り上げることができるので失敗を恐れないことが大事だと分かった。
・デザインシンキングは自分で考えるときにプライベートなことからビジネスまで応用できるように今から実践していきたい。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ第7回
2018年5月7日(月)
コーネット 可奈 様(アクセンチュア株式会社 デジタルコンサルティング本部 マネジャー)
統計データ分析の基礎
今回は、コーネット様に統計データ分析の基礎について講義していただいた。まず、「データ分析によりビジネス価値を創出」するためには、立案された仮説の検証に必要なデータを収集し、検証に適した形に加工することが必須である。実際に、データ収集・加工には全体の80%の労力を要するほど重要なプロセスである。つぎに、分析作業の非効率化や望んだ結果が得られない等、データ起因で様々な問題が起こるため、データ収集時には分析要件を満たすデータであるかの確認が欠かせない。分析を成功させるためのデータの集め方として、「分析の目的」と「データの抽出」、「データの量」、「データの質」といった4つのポイントが重要である。さらに、ビジネスで行うデータ解析においては、解析に進む前に欠損値割合・分布の確認を通じてデータに無効な値が含まれていないか確認し、必要に応じてデータを修正加工することが大事である。これらの話を踏まえ、プロジェクト型演習では、アンケートの問題点を洗い出しアクションプランを考案した。中には付箋を使用して、様々な考え方や意見を出し合う様子が伺えた。複数のグループがアイデアを発表する等、とても充実した時間であった。学生たちはデータ収集・加工について理解を深めることができたと思う。
<学生の感想>
・データを見て分析する、とだけ聞くとさほど難しくないように思えても、実際細かな所まで注意して行っていかないと上手くいかなくなるなどの課題が多くあることを知ることができました。
・演習でグループメンバーそれぞれの意見をまとめるのが意外と難しかった。着眼点が分かれてしまうのは、データ分析の目的がはっきりしていないからだと思った。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ第8回
2018年5月10日(木)
綾塚 祐二 様(株式会社クレスコ 技術研究所 上席研究員)
眼科画像と機械学習 ~医工連携の一例~
今回は、綾塚様に眼科画像と機械学習における医工連携の一例について講義していただいた。最初に、眼底疾患には数十種類以上の疾患があり、疾患の種類を間違えると、治療の効果がないどころか症状が進行し、悪化してしまう。さらに、疾患の種類は外からの眼底写真だけでは判断できず、造影剤の注射などが必要になり患者の身体的負担が大きい。そこで、OCT(光干渉断層計)を用いて症状を判断してきたが、疾患名を正しく判断するためには熟練がいる。この問題を解決するために、OCT画像と熟練者による診断情報と機械学習を用いた画像分類による医工連携が行われた。続いて、機械学習による分類の学習やニューラルネットワークの学習、畳み込み層についての説明があった。最後に、機械学習による分類結果の正答率については全体的に90%を超えており、概ね良好な結果であった。しかし、実用化のためには国の認可が必要であるため、さらなる正答率の向上が求められる。ゆえに、実用化のためにスクリーニングを考慮した性能から評価を行った。有病率の違いによっても正確度に影響が出るため、いろいろな指標を用いて評価する必要がある。これらのプロセスを経てようやく研究用システムとしてリリースされた。今日の講義を通して学生は機械学習が医療分野にどのように関わるのか、実例を通して理解することができたと思う。
<学生の感想>
・AIの判断を実用化するには難しいことだと感じた。国に認可され、人に受け入れられ、開発運用でビジネスとして成り立たせるには多くの人々の協力と努力を経て、社会の利益になっているのだと分かった。
・機械学習の基礎についても学ぶことができました。また、機械学習が医療分野でも役立っていることがよくわかり、改めてその魅力を感じました。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ第9回
2018年5月14日(月)
村重 慎一郎 様(アクセンチュア株式会社 デジタルコンサルティング本部 シニア・マネジャー)
基本統計量・相関分析
今回は、村重様に基本統計量と相関分析について講義していただいた。まず、探索的データ解析とは、基本統計量の算出やデータの可視化によって背景にある関係性等を探る。その後仮説を導き出す、検証していくというプロセスをとるデータ解析のことを指す。また、相関分析について、相関とは異なる事象間の結びつきの強さを表したもの。ビジネス的観点からは因果関係が存在していることが重要である。そのため、比較したい変数の種類によって、適切な分析手法を選ぶ必要がある。分析の結果から更なる発展性が見えて時間をかける価値があると判断されれば、予測モデル等のステップに進むことができる。つぎに、総合発表に向けて、プレゼンテーションの秘訣についてもお話しされていた。そして、今回のプロジェクト型演習は、実際にダミーデータを探索し、データの中から仮説を導き出し、論理的に筋が通った提案を考察するという内容であった。積極的にデータに触れ、議論している様子が見られた。実践的な経験をすることで、学生たちもデータサイエンスについてより理解を深めることができたと思う。
<学生の感想>
・統計に対する意識が変わった。
・確率統計学で学んだ知識がビジネスでも役立てることを学べた。
・データ分析のときに基本統計量を使えば、より課題が明確になる。
・プレゼンテーションでは、まず他者の理解が重要なのがわかった。自分主体のプレゼンにならないように心がけたい。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ第10回
2018年5月21日(月)
コーネット 可奈 様(アクセンチュア株式会社 デジタルコンサルティング本部 マネジャー)
単回帰分析・重回帰分析・決定木分析
今回は、コーネット様に単回帰分析・重回帰分析・決定木分析について講義していただいた。まず、回帰分析とは、変数間の関係を、結果(目的変数)と要因(説明変数)として回帰式でモデル化することである。また、分析に使用される目的変数及び説明変数は量的データである。回帰分析において、説明変数が1つの分析モデルを単回帰分析と呼び、2つ以上の分析モデルを重回帰分析と呼ぶ。つぎに、決定木分析の目的は、大きく分けて「構造の理解」と「新規データを分類」の2つにある。回帰分析と決定木分析には違いがあり、回帰分析は実績データを元にモデル化して一般化するのに対し、決定木分析は実績データを整理し理解し易くするものである。分析手法によって長所と短所があるため、データに応じて様々な分析手法を使い分けることが重要である。プロジェクト型演習では、Rを使用して決定木分析を行い、得られた結果から、分析結果をもたらした要因の仮説と施策案を考察するという内容であった。今回の講義は学生たちにとって少し難しかったようだが実践的なデータ分析を経験することができたと思う。
<学生の感想>
・決定木や重回帰はデータをモデル化する上で良い方法だと感じた。
・少しずつデータがまとまってきたので分析しやすくなった。
・分析によって様々なことをわかりやすく表せてデータ活用の幅が広くなった。
・会津大学でなぜExcelを教えないのか疑問になりました。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ第11回
2018年5月24日(木)
光永 祐司 准教授(スーパーグローバル大学推進室)、石橋 史朗 教授(産学イノベーションセンター)
会津大学教員
SGU関連インターンシップの紹介、ビジネスアイデア発表会
今回は、光永先生にSGU関連インターンシップの紹介、石橋先生にビジネスアイデアの発表会をしていただいた。第一に、光永先生よりSGU関連の紹介をしていただいた。まず、チャレンジャーバッジシステムとはチャレンジングな人材を育成する仕組みであり、大学が学生の多様な課外活動を評価し、デジタルバッジを付与するシステムである。つぎに、海外インターンシッププログラムは、現在シリコンバレーと大連の二か所で開催されており、それぞれのプログラムの目的や内容についてお話しされていた。実際にプログラムに参加した学生からのプレゼンテーションもあった。そして、今後開催されるプログラムの紹介をしていただいた。第二に、石橋先生よりオリジナリティー溢れるビジネスアイデアの中で、特に優秀なアイデアを発表していただいた。選出された学生は詳細を説明し、学生たちでそのアイデアを共有した。優秀者のアイデアはどれも斬新であり、商品化・事業家に結びついてほしいものばかりである。本講義を機会に、学生たちはインターンシップへの興味を持ち、新たなアイデアを創出する楽しさを実感できたと思う。
<学生の感想>
・インターンシップの話は就活をしている自分にとってすごい魅力的だなと感じた。
・院への進学を考えているので今後はインターンに積極的に参加していきたい。
・海外インターンシップの話を聞いてすごく興味が湧きました。外国の方々と一度でも交流してみたいです。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ第12回
2018年5月28日(月)
村重 慎一郎 様(アクセンチュア株式会社 デジタルコンサルティング本部 シニア・マネジャー)
総合発表
今回は、データサイエンス講座のプロジェクト型演習における総合発表であった。全6回から成るデータサイエンス講座の締め括りということもあり、学生たちからは活気や緊張を感じた。13チームがそれぞれ業務改善のための施策の提案を4分間のプレゼンテーションで発表した。発表後に村重様からチーム毎に質問と総括を1分間していただいた。アイデアの共有は学生たちにとって良い刺激になったと思う。学生たちはアクセンチュア株式会社の講師の方々からデータサイエンスについて学ぶことで、興味を持ち、理解を深めることができたと思う。
<学生の感想>
・自分たちでデータを分析し、いかにうまくプレゼンするかが難しかったが、とても良い経験になった。
・チームでたくさん案を出したにも関わらず、他のチームの内容を聞くと自分たちには案も出なかった内容があって聞いていて楽しかったです。
・発表はとても緊張した。どのグループも細かく分析していてすごいなと思った。色々な提案を聞けておもしろかった。
・データの多い標本から問題解決のための情報を抽出し、具体的な解決案を挙げるというのはとても難しいなと思いました。
・データを分析してどこに注目してどんな案を出すのかはチームによって色々な考え方があるのだなと思った。そして、前に出て発表するのは難しいなと思った。
・チーム毎に全く異なる視点からアプローチをしていて、データ分析の難しさを感じつつ、大変興味深い分野だと思いました。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ第13回
2018年5月31日(木)
横山 恭一郎 様(野村證券株式会社 投資情報部)
ITが生み出す未来のイノベーション ~ITからバイオテクノロジー、ニューロサイエンス、エネルギーなど~
今回は横山様にITが生み出す未来のイノベーションについて講義していただいた。まず、ITは世界を大きく変容させる現代の汎用技術である。汎用技術とは、様々な用途に応用し得る基幹技術を表している。IT分野における次世代技術の例として、量子コンピュータや大脳皮質学習アルゴリズムが挙げられる。これらの技術は医療分野においても応用し得る。例えば、手術ロボット、自動診断システム、新しい癌の治療法の発見、再生治療(ゲノム編集)、核酸医薬、ペプチド医薬である。また、予防治療や早期治療にとって欠かせないバイオマーカーの研究が進展しており、「治療」から「予防」の時代へとパラダイムシフトしつつある。つぎに、ニューロサイエンスの新技術としてBMIが挙げられる。これは神経を含む脳と機械やコンピュータを接続する技術であり、人工内耳や人工網膜など既に実用化もされている。将来はニューロフィードバックにより人間の能力を増強・拡張することが可能になると言われている。さらに、新技術によるエネルギー革命の例として、再生可能エネルギーや宇宙エレベーター、常温超伝導、藻類バイオマスについてお話しされていた。本講義を通して、学生はIT分野の発展のスピードや新技術について知ることができたと思う。是非、学生にはこれからも新技術に注目し続けてほしいと思う。
<学生の感想>
・新しい技術がどのように世界を変えていったのかよくわかった。よく知られている企業の話や技術の話があってわかりやすかった。
・今まで不可能だろうと思われていたことが可能となっていく次世代のIT技術に関しての話が興味深かった。
ベンチャー基本コース各論Ⅰ第14回
2018年6月4日(月)
池田 知之 様(東北芸術工科大学)
起業後に必ず体験するパターンと社長の役割
今回は、池田様に起業後に必ず体験するパターンと社長の役割について講義していただいた。本講義では、起業活動・会社経営での重要なポイントとその対策方法を凝縮して学ぶことが目的である。まず、起業のプロセスについてお話しされていた。会社を運営していく中で問題は必ず発生し、その問題を解決することで会社は成長する。これらのプロセスを繰り返すことで、スモールビジネスからビッグビジネスへと本当の成長を遂げるのである。つぎに、未知のものへ確信無しでも歩める自信を持てるほどの「起業熱」も必ず必要であるとお話しされていた。さらに、会社を運営する上で大切なことは従業員の能力よりも人である。なぜなら、従業員がやる気や共感や楽しいと思えることが必要だからである。つまり、よりよい会社であるためには、インフォーマルなグループの方が望ましいとお話しされていた。本講義を通して、社長(組織代表)の視点を養い、能動的に確信をもって目標を遂行するためのエッセンスについて学ぶことができたであろう。是非学生には起業ばかりではなくプロジェクトやサークル、就職活動等でも役立ててほしいと思う。
<学生の感想>
・起業には熱意がないと続かないということは起業のみならず全てのことに言えるなと思いました。
・能力のある人よりも自分と合う人と一緒に仕事をする方が効率良く企業が成長すると聞いて驚きました。
・ベンチャーを起業する上で何が大事なのか体系的に解説がされていてわかりやすかった。根性論的な話にも科学的な裏付けがある例が印象的だった。
・ボスの要素とリーダーの要素の両方が必要になるのが意外だった。ボスがいないと企業が成長しないのが驚きだった。確かに一番できる人が全部手を出してしまっては、下が成長しないように思った。