コミュニティ スペース「きやれ」
会津大学の各施設は、コンクリート素材を前面に押し出し、先進的でデザイン性に富んだ建築物であり、最先端のコンピュータ理工学を学ぶ本学において、シャープでクールなキャンパスとなっております。
一方で、「癒される空間が欲しい」という学生の声もあることから、木材の温かさ、ぬくもりをいかしたリラックスできる空間、コミュニティスペース「きやれ」が誕生しました。
コミュニティスペースとは、様々な人が集い、交流し、互いの経験や価値観を共有することで、繋がりを作る場です。
学部生、留学生、大学院生、教職員はもちろん、地域の人たちともふれあうことで、これから先の会津大学を共に作っていく、そんな場所になることを願っています。
「きやれ」とは、南会津南郷地区で使われる方言で、「来てください」を意味します。また、会津塗や会津木綿といった会津の伝統的工芸品をあしらうことで、地域の文化にも触れることができます。
1.場所
学⽣ホール1階
2.利⽤資格
本学の学⽣、教職員、その他学外の方
3.開室時間
平⽇8:00〜20:00(学⽣⾷堂の開室時間に準ずる)
4.閉室⽇
⼟曜⽇、⽇曜⽇、祝⽇、年末年始(12 ⽉29 ⽇から1 ⽉3 ⽇)
※ただし、本学オープンキャンパスや学園祭等、並びに事務局総務予算課⻑が貸出を認めた場合は、その限りではありません。
※祝⽇とは国⺠の祝⽇に関する法律に規定する⽇
5.施設の紹介
「きやれ」の看板は、55年のキャリアを持つ伝統工芸師の小林重信さんが、会津漆器の伝統技法をいかして制作されました。
材料となる「朴(ほお)」の木に下書きをし、糸鋸(いとのこ)で切り出します。
その後面取りを行い、低粒子のサンドペーパーで研磨することでムラをなくします。
これらの作業をすべて手作業でこなし、1か月もの時間を要する工程です。
次に、漆の塗作業です。
ベテラン伝統工芸師の川宮和頼さんが、手塗りで2か月かけて仕上げました。
下地として地の粉、錆地を吹き付けた後、下塗、中塗、上塗と進み、その後、塗面を炭で繰り返し研いで、美しい艶を出す呂色(ろいろ)仕上を施しています。
使用された色は、「洗朱(あらいしゅ)」という赤色です。お祝い事など「おめでたい」ときに使われる色彩で、お正月や結婚式など、慶事の郷土料理として作られる「こづゆ」を入れるお椀「こづゆ碗(手塩皿)」の多くは、この「洗朱」を使用しています。
2021年に開催された「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」では、多様性と調和を演出する試みとして、関連施設建設のために全国から木材が集められ、福島県産の木材は選手村ビレッジプラザに使用されました。
大会終了後、これらの木材は福島県に返却され、その「レガシー材」の一部が会津大学短期大学部に譲渡されました。
「きやれ」のカウンターテーブルは、短大の柴﨑恭秀教授と実習助手の五ノ井仁氏が、この「レガシー材」を使用してデザイン・制作したものです。
オリンピック・パラリンピックの選手たちが、この木材に触れていたかもしれませんよ。
制作風景 |
会津木綿のファブリックパネル
「きやれ」では、伝統ある会津木綿を使用した「ファブリックパネル」が多く使われています。
このパネル制作には、地元のボランティア2名(天野康弘さん、穴澤静雄さん)からご指導をいただき、本学学生などの有志が、1枚、1枚、丁寧に作り上げました。
会津木綿は、会津地域の伝統工芸品で、古くから野良着等として使用されてきた丈夫な木綿です。しかし、現在では、会津若松市に2軒、会津坂下町に1軒残るのみとなりました。
会津木綿には模様や色などにより、それぞれ名前があります。どのパネルに何の柄の木綿が使われているか、皆さんも探してみるのも楽しいですよ。
会津木綿名 |
会津木綿名 |
会津木綿名 |
|||
てり縞 |
古代縞 |
ターコイズ |
|||
三色棒縞 |
やたら赤茶 |
白黒スラブ |
|||
かつお縞 |
八重 |
やたら紫ライトグレー |
|||
はで縞 |
文庫 |
たまむし |
|||
やたらベージュ |
流れ縞 |
赤紺 |
|||
のれん |
小町ぶどうグリーン |
画像提供: もめん絲 (https://momenito.shop/?mode=f2)
最後に、「きやれ」は、会津大学開学30周年記念事業として開設しました。
この事業には、以下の皆様方から多大なるご支援をいただきましたので、ご紹介いたします。
【寄附者・寄贈者一覧(敬称略・50音順)】
会津大学後援会
会津大学同窓会
会津産学懇話会
会津土建株式会社
末廣酒造株式会社
株式会社トコム
株式会社ナディス
有限会社ワンピース
会津若松商工会議所 漆器部会 (漆看板寄贈)
6. 利⽤⽅法
・会津⼤学コミュニティスペース「きやれ」の利⽤について
・会津⼤学コミュニティスペース「きやれ」利⽤に関する要綱
・会津⼤学コミュニティスペース「きやれ」利⽤者⼼得
・利⽤申請書