SPACE

宇宙

宇宙はもはや手の届く研究フィールド

会津大学では宇宙関連の研究を積極的に進めており、JAXA「はやぶさ2」プロジェクトをはじめとして、様々なプロジェクトに携わっている。私たちは宇宙科学と情報工学を武器に、開発やデータ解析のハブとして存在感を発揮する。いまや地球から宇宙を見るだけでなく、宇宙から地球を観測しての研究、例えば火山の防災減災を目的とした研究なども可能になった。宇宙はもはや特別なものではない。宇宙は地球の延長線上にある。

宇宙科学とICTで人類の活動の場を広げる

会津大学には宇宙に携わる研究者が豊富に揃っている。あの「はやぶさ2」プロジェクトにもチームとして参加し、福島県内の企業とともに近赤外線分光計やレーザ高度計、可視カメラ、熱赤外カメラなど多くの分野で貢献した。

私たちは宇宙をフィールド、活躍する場だと捉えている。今や国だけでなく民間も自由自在に月を開発する時代が来た。つまり宇宙は手の届かない遠い世界ではない。地球の延長線上で、人類の活動の場を広げる研究を私たちは行っている。これは会津大学開学の理念である "to Advance Knowledge for Humanity"(人類の平和と繁栄のために発明・発見を行うこと)にも合致することだ。私たちは宇宙の知識、ICTの知識の両方を持ち合わせている。私たちがハブとなり、宇宙科学と情報工学の橋渡し役を担っている。

宇宙を舞台に様々なプロジェクトが進行中

前述の「はやぶさ2」の他にも、私たちは様々な側面で宇宙関連研究を進めている。例えば三次元不規則形状天体の地理情報システム。小惑星はみな歪な形をしており、平面の地図に起こしても縮尺が場所によって異なり、三次元の形が見えてこない。そこでコンピューターの中に仮想的な三次元の形状モデルを作り、そこに観測データを貼り付ける手法をとった。これは必要に迫られて作ったものだが、世界で初めての試みである。「AiGIS」(アイジス)と名付けられ、世界で使われるソフトウエアに育った。

ほかにも、月や火星に送り込む探査車を開発するための「箱庭」環境を構築する「月火星箱庭構想」や、国際宇宙ステーション搭載「たんぽぽ」による有機物・微生物の宇宙曝露と宇宙塵・微生物の捕集など、多くのプロジェクトに参画している。

逆に宇宙からの地球観測も行う。気象庁の噴火予知連絡会と協力し、宇宙から山体の地殻変動を計測することで、火山噴火の前兆を捉える研究を行っている。

手を伸ばせば宇宙はそこにある

宇宙関連のミッションはおおよそ10年スパンである。会津大学では学生も多くミッションに携わっており、最初の世代がソフトウエアの設計、次の世代がそれを実装し、さらに次の世代が検証・ブラッシュアップを行う。そのような流れで、たすきリレーのようにソフトウエアが次の世代に渡され、本番オペレーションのタイミングにあたった学生が、アンカーを務める。

今や火星でヘリコプターが飛ぶ時代だ。宇宙は遠い存在ではない。我々の持っている技術の延長線上でチャレンジできる場である。地球でやっていることは宇宙でもきっとできる。視野や考え方を変えると活躍する先も変わってくる。宇宙は特別なものではない。手を伸ばせば届くものなのだ。

「宇宙」分野の研究例