本学は2023年度に会津大学30周年を迎えます。これを機に、建学の理念である "to Advanced Knowledge for Humanity" の今日的意義を、教職員・学生・卒業生みんなで考えてみようと会津大学University Identity構築プロジェクトを始めました。

今回その一環で、外部有識者10名の方々に「会津大学とは何か?」を大きなテーマにしたインタビューを行いました。客観的な視点からのお言葉を元に、会津大学の存在意義や求められているものに迫っていきます。

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第5回:会津若松市 室井 照平市長

「デジタル技術を"賢く"使った"まち"を運営するうえで、会津大学はICTのみに留まらない本市の『強み』」

Q. 会津若松市として、会津大学の存在意義をどのように捉えていらっしゃいますか。

会津大学はコンピューター理工学を専門とする公立大学として、ICT技術を活用し、国際社会・地域社会への貢献、高度な人材育成や産学連携により、東日本大震災からの復興に向けた経済の発展、地域課題の解決に寄与いただいてきました。

第5回_室井様2.jpg会津大学発ベンチャー企業の存在もまた、地域に大きな貢献をしてきたところで、地域雇用の確保が図られました。既存の企業にとっても、優秀な技術者の確保が進められています。

少子化や地域外進学により若者が減少している中で、会津大学の存在により、地域内進学や他地域からの流入が増加し、本市の地域活力の向上にもつながっています。

世界レベルのコンピューターサイエンス研究機関である会津大学は、教育や産業の振興にとどまらない、本市の活力あるまちづくりに不可欠な「地域資源」だと考えていますし、これまで以上に本市の「強み」として様々な分野での連携を期待しています。

Q. 「地方創生」や「市民のWell-being向上」というテーマにおいて、会津大学が果たせる役割とはなんでしょうか?

第5回_室井様1.jpgデジタル技術によって、一つひとつのサービスや市民(利用者)一人ひとりの生活の利便性が向上していくことは勿論ですが、人口減少社会において、公共サービスを含めて様々なサービスを維持していくためには、デジタル技術を賢く使った"まち"の運営を考えていく必要があると考えています。

本市では、そのようなデジタル技術を賢く使った"まち"の目指すべき姿を「スマートシティ会津若松」と位置づけ、取組を進めているところです。

会津大学にはこの取組みにおいて、「デジタルに関わる研究や人材育成を担っていく立場」として期待しています。その一つとして本年4月には、市・会津大学・AiCTコンソーシアムによる「スマートシティ会津若松の推進に関する基本協定」を締結し、一緒に取組みを進めています。

またこのような取組みを通じ、新しい仕事や魅力的な仕事が生まれることで、若い人が地元で働くことを選択したり、本市に移住してくれる人が増えたりすることも期待しています。

このように、本市にとって会津大学は、ICTという視点のみに留まらない大きな存在であり、他の都市には無い本市の「強み」であると考えています。

Q. 会津大学は教職員・学生含め、若者や外国人が多く集まる場です。このことが地域・社会へ与える影響についてどのように感じていらっしゃいますか?

第5回_室井様3.jpg若者や外国人などの存在は、人やものの動きの活発化や、価値観の多様性、相互理解、交流が創出されることはもちろん、産業面や地域コミュニティの活性化など、幅広い分野で本市に様々な効果をもたらしています。

特に外国人の存在は、多文化共生理解の促進や、国際的な感覚・視野をもった人材の育成につながることも期待されます。

市としても、会津大学の学生や留学生と市民が交流する場を積極的に作っていくことで、様々なイノベーションにつながっていくと考えています。

また、会津大学の修了生等が、母国において会津大学での学びを活かし、会津地域への想いをもちながら活躍することに関しても、非常に喜ばしいものだと感じています。

Q.これからの会津大学に期待することはどのようなことでしょうか?

現在本市が直面している少子化や高齢化、生産年齢人口の減少などは、これからさらに大きな課題となっていくことと思います。そうした中では、ICTを活用した豊かなまちづくりを進める必要があると考えます。

そのため、本市は、平成25年2月に「スマートシティ会津若松」を掲げて以降、生活を取り巻く様々な分野でICTを活用する取組を進めてきました。

今後も、スマートシティの推進により、市民の皆様と共に行う地域課題解決の取組をさらに加速させ、本市のまちづくりのビジョンである「ともに歩み、ともに創る『温故創しん(おんこそうしん)』会津若松 」を実現させていきたいと思います。

その実現のために、これからも会津大学には、より高いレベルの教育環境の中で、今以上に地域に根差した研究や活動、人材の育成が行われ、本市の知の拠点として存在して欲しいと考えています。

また、会津大学が核となったICT関連産業の集積が進むことも期待しています。

室井様、ありがとうございました!

次回は、福島県 会津地方振興局 局長の髙野 武彦様のインタビュー報告です。

~参加者募集~

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