被災地復興のビジネスプランコンテストでイノベーティブ・アワードを受賞

東日本大震災からの「復興・再生・発展」を実現する新しいビジネスのアイディアを競うコンテスト「TAC-Keio SFC Entrepreneurship Seminar and Business Plan Competition」(2月8~10日開催)で、会津大学チームが提案するFacebookアプリケーション「PreLook(プレルック)」がイノベーティブ・アワードを受賞しました。
被災地復興には新たな手法と、自らのアイディアで問題を解決しようとする若い人材の育成が必要とされています。このコンテストは米国大使館/東京アメリカンセンター(TAC)と慶應義塾大学SFCが主催。主に被災地域の大学生を対象として、ビジネスプラン作成のトレーニングセミナーとコンテスト形式で行うプレゼンの経験から、学生の起業家精神と実践力を高めることが目的です。
会津大学から参加したのは、今年度後期に立ち上げた起業部の学生、松岡秀樹さん、野口翔太郎さん、小尾真智さん(ともに学部3年)と北澤拓也さん(学部1年)のチームです。「PreLook」は誕生日プレゼントに着目して、公開された「欲しいものリスト」から選べば失敗のない贈り物ができるというコンセプトのアプリです。ウィッシュリストなどで知られる一般的なサービスに、欲しいもの(商品)の価格変動がチェックできる価格監視ツールを追加できるのが特徴です。また、コンテストのテーマである震災復興の視点からは、商品の購入時に任意の募金をしてもらい、その募金は被災地にある旅館の宿泊券購入に充てられるのがポイント。募金した人には抽選でその宿泊券が当たるシステムで、宿泊のために訪れた被災地での消費を促し、地域経済の活性化につなげることを狙いとしています。
誕生日プレゼントを贈って、抽選で宿泊券が当たる仕組みは、同時に被災地の復興にも貢献できる喜びとなり、「嬉しい」「楽しい」を体験できるウェブサービスのユーザーエクスペリエンスも考慮しています。会津大学らしくITを活用した復興を念頭に、改めて被災地に思いを馳せて企画したビジネスプラン。今後の展開が期待されます。

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会津大学チームのプレゼン風景(左)、イノベーティブ・アワードの賞状と楯を手に記念撮影(右)

松岡

松岡秀樹(部長)

「会津大学らしさをベースとする震災復興を考え、ウェブサービスを選択したのは自然の流れだったが、ITだけではサービスが成り立たないことを学び、差別化に苦労した。震災から1年が過ぎようとしているが、今も被災地を想い、目を向けていくことが重要だと感じている。この機会を与えてくれた主催者、講師の方々、そして、一緒にプランを練った仲間に感謝したい。また、起業部としてはこれからも様々なイベントに参加して実力を磨き、会津大学の認知度を高めていきたい。」

野口

野口翔太郎

「このセミナーに参加した一番の収穫は、復興への熱い志を持つ同世代との出会いであり、様々な分野の人々との交流を深めることができた。3日間の合宿を通し、本音で語り合い、各々の情熱を感じたことは、よい刺激となった。」

小尾

小尾真智

「徹夜が続き、チーム内で意見のぶつかり合いもあったが、コンテンツをより良いものにするためには必然だったと思う。イノベーティブ・アワードの受賞はとても嬉しく、これを自信に次のステップに活かしたい。」

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北澤拓也

「被災地の様々なニーズとそれに対するアプローチの方法を知ることができた。震災から1年を迎えようとしている時期に、改めて震災を思い返し、被災地のことを考える良い機会となった。唯一の1年生だったが、先輩と共にアイディアのブラッシュアップや発表ができたことがとても楽しかった。」

[最終更新日]2012-02-23