2024年(令和6年)2月1日

公立大学法人会津大学
学校法人立命館立命館大学

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所、会津大学および立命館大学は、小型月着陸実証機(SLIM)電力回復後の観測画像を公開します。SLIMに搭載したマルチバンド分光カメラ(MBC)は計画当初予定していた10バンド分光観測を順調に終えることができ、対象は当初期待していたより多く観測できました。

 画像1.png 図1(右)スキャンモザイク画像 (1).jpg

図1: SLIM搭載マルチバンド分光カメラ(MBC)による着陸直後の月面スキャン撮像
モザイク画像(左)と電力回復直後のモザイク画像(右) 
太陽の方向が東から西に変わったため、 左右の画像で影のつき方が異なります。
(クレジット:JAXA、立命館大学、会津大学)

図2_新犬マップ.jpg

図2: 10バンド詳細観測を行った岩石。
日射条件が異なったために、観測対象の岩石を一部変更および追加いたしました。
(クレジット:JAXA、立命館大学、会津大学)

図3_あきたいぬ1650nm.png

図3: 電力回復後に近赤外線で詳細観測した「あきたいぬ(波長1.65μm)」
MBCにはオートフォーカス機能があるので、フォーカスをあわせることで距離を測定することができます。距離がわかると岩石の大きさも計算することができます。この「あきたいぬ」までの距離は18m、横幅は63㎝であることがわかりました。
(クレジット:JAXA、立命館大学、会津大学)

DSC_6562記念写真.jpg

図4: MBC観測計画完遂直後のSLIMチームとMBCチーム。
(クレジット:JAXA、会津大学、立命館大学)

MBCはSLIM電力回復後、333枚のフルスキャン画像を波長を変えて2回、岩石やレゴリスの高解像度10バンド観測を13カ所の観測対象に対して実施しました。得られたたくさんのデータをもとに、月の起源の謎にせまる岩石の判別と鉱物の化学組成の推定の解析を進めています。科学的成果が得られ次第、発表させていただきます。