国際学術誌 IEEE Transactions on Audio, Speech and Language Processingに、会津大学のジュリアン・ヴィジェガス上級准教授による論文「A New Method for Speech Enhancement Based on Harmonic Distortion」が掲載されました。

 にぎやかな場所で人の声が聞き取りにくいと感じたことはありませんか?
ヴィジェガス上級准教授は、2種類の歪みを組み合わせて音声を加工することで、脳が言葉を認識しやすくする新しい音声強調手法を開発しました。この方法では、騒がしく反響の多い環境でも、通常の音声と比べて最大18倍も単語を認識しやすくなることが実験で示されています。注目すべき点は、単純に音量を大きくするのではなく、環境雑音を抑えつつ、雑音によるリスクを軽減できる点です。

 賑やかな食堂から響きの強い部屋に至るまで、この革新的な手法は、将来的に「どんなに騒がしい世界でも会話をより明瞭にする」ことに貢献する可能性があります。

<論文情報>

掲載誌:IEEE Transactions on Audio, Speech and Language Processing

著者:ジュリアン・ヴィジェガス(会津大学)

論文タイトル:A New Method for Speech Enhancement Based on Harmonic Distortion

発表日:20259

論文リンク:https://ieeexplore.ieee.org/document/11159298

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上図に示す提案手法は O-HDDRC と呼ばれています。

IEEE Transactions on Audio, Speech and Language Processingについて

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*IEEE Transactions on Audio, Speech and Language Processing* は、音声・オーディオ・言語を表す信号処理に関する革新的な理論や手法、そしてそれらの応用に特化した学術誌です。対象分野には、信号の解析、合成、強調、変換、分類、解釈に加え、関連する信号処理システムの設計・開発・評価が含まれます。
このジャーナルはSCImago Journal Rank(SJR)指標で1.061(2024年時点)を有し、またH-indexは92を記録しています。
詳細は [IEEE Xploreのジャーナルページ]
https://ieeexplore.ieee.org/xpl/RecentIssue.jsp?punumber=10723155
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