陳文西教授研究室に所属する特別研究員・周雪博士の研究成果「自然言語監督による12誘導心電図からの心疾患診断」が、Nature Portfolioに属するnpj Digital Medicine(インパクトファクター: 15.1)に掲載されました。
本研究は、東京科学大学、東邦大学大橋病院、朝陽科技大学の先生方との共同研究によるものです。
研究のポイント
本研究では、自然言語監督を用いて12誘導心電図から複数の心疾患をゼロショット診断できる革新的なAIモデル「ECG-CLIP」を開発しました。800,034組の心電図-テキストペアで学習したこのモデルは、疾患ごとの個別ラベル付きトレーニングデータを必要とせずに18種類の心疾患を評価できます。不整脈の診断では優れた性能(AUROC > 0.90)を達成し、異なる患者集団への頑健な汎化性能を実証しました。特に、小児データで学習していないにもかかわらず、小児患者への優れたゼロショット性能を示しました。
この画期的成果は、疾患ごとのラベル付きデータセットへの依存を解消することで現在の医療AIにおける根本的なスケーラビリティの制限に対処し、専門家レベルの心電図解析への世界的なアクセス拡大に貢献する可能性があります。
なお現在、特許出願申請手続中です。
npj Digital Medicineについて
Nature Portfolio に属し、デジタル医療およびヘルスケア分野における高品質な研究成果を掲載する、オープンアクセスの国際的な査読付きジャーナルです。
論文リンク: https://www.nature.com/articles/s41746-025-02074-3
ジャーナルリンク: https://www.nature.com/npjdigitalmed/journal-impact
研究室リンク: https://bitlab.u-aizu.ac.jp/