小惑星探査機「はやぶさ2」(※1)が直接観測した小惑星リュウグウの地下物質に関する研究成果の論文が、イギリスのメジャーなオンラインジャーナルNature Astronomy(※2)に2021年1月4日(日本時間1月5日)掲載されました。
この論文は、本学の宇宙情報科学研究センター(※3)に所属する北里宏平准教授が主著者となり、本学教員4名が共著者となっています。
論文は、「はやぶさ2」がリュウグウ表面に作った人工クレーターを近赤外分光計(NIRS3)により観測し、クレーターの内部に露出した地下物質の反射スペクトルデータを分析した結果、リュウグウの地下物質が表面物質と同様に加熱による部分的な脱水作用を経験しているものの表面と比べて水分に富んでいることや、加熱がリュウグウの前身となる母天体上で起きたことなどを発見し、報告したものです。
北里准教授は、NIRS3の主任研究者として機器開発、観測運用、データ解析を主導し、論文の主要部分を執筆しました。
今回の研究成果は、「はやぶさ2」が地球に持ち帰ったリュウグウサンプルの分析結果を解釈する上で重要な指標になると期待されます。
<Paper title> Thermally altered subsurface material of asteroid (162173) Ryugu
(小惑星リュウグウの熱変成した地下物質)
主著者 北里 宏平(准教授)
共著者 大竹 真紀子(教授)
平田 成(上級准教授)
本田 親寿(准教授)
山田 竜平(准教授)
(会津大学教員のみ抜粋,論文の著者順)
(掲載日:2021年1月6日)