会津大学学際研究フォーラム 2023 -開学30周年記念事業-
NEW! YouTubeでの視聴は、こちらから。
<1日目> 10月1日(日) https://youtu.be/fze4RRZpf6k
<2日目> 10月2日(月) https://youtu.be/lF9X3dR0TB4
知の発生、知の再現、知の利用 ~ 新しいAI時代における会津大学の役割 ~
最近チャットGPTなどで話題の汎用人工知能(AGI: artificial general intelligence)に対し、コンピュータ理工学に特化した本学では何が出来るか、新たな教育内容や戦略的研究テーマ、社会への貢献方法を、基調講演やパネルディスカッションを通じて、多角的な視点で議論します。
センター・クラスターの研究成果発表では、産学官連携や共同研究、地域振興の事例などをご紹介します。
☆ 開催日時:10月1日(日) 9:00-17:30第一部・第二部、 10月2日(月) 9:30-15:00 第三部
☆ 会場:会津大学
第一部(大学院生ポスターセッション・大学院等紹介) 研究棟 ALO(事務連絡室)前・S4教室
第二部(基調講演・パネルディスカッション) 講義棟 大講義室
第三部(センター・クラスター研究発表) 講義棟 大講義室
※ 英語への同時通訳は、会場参加者のみ視聴可。
※ YouTube Live配信の予定あり(日本語のみ)。
☆ 対象:企業の皆様、研究者、教員、学生、一般の方、興味のある方はどなたでも。
☆ 主催:会津大学 先端情報科学研究センター・AIセンター・宇宙情報科学研究センター
IEEE Student Branch 会津大学
☆ プログラム:
<1日目> 10月1日(日)
第一部:大学院生成果発表 ☆ IEEE Student Branch 会津大学 主催 ☆
9:00 - 12:00 |
○ 大学院生ポスターセッション 詳細は、こちらからご確認ください。 http://web-ext.u-aizu.ac.jp/conference/ieeeuoas/ ○ 本学大学院、IEEE・他学術学会の紹介 |
第二部:AGI時代における大学の役割 【 基調講演/パネルディスカッション 】
13:00 - 13:05 |
開会挨拶 会津大学副理事長兼副学長 趙 強福 |
13:05 - 13:55 |
基調講演1「半導体技術とAIコンピューティングの進展」 産業技術総合研究所 AIチップ設計拠点 拠点長 内山 邦男氏 |
13:55 - 14:05 |
休憩 |
14:05 - 14:55 |
基調講演2「新しいIoTの取り組み~月火星箱庭構想のための通信要素技術紹介」 情報通信研究機構 総合テストベッド研究開発推進センター 研究統括 村田 健史氏 |
14:55 - 15:45 |
基調講演3「クラウドシステムによる脳波診断支援のAI 構築とその運用事例」 東京農工大学大学院工学研究院 先端電気電子部門 教授 田中 聡久氏 |
15:45 - 15:55 |
休憩 |
15:55 - 17:25 |
パネルディスカッション「AI 時代における産学官連携のあるべき姿」 内山 邦男氏 村田 健史氏 田中 聡久氏 泉 光一氏(アルプスアルパイン株式会社 インフォテインメント&サウンド事業担当付部長) 久田 雅之氏(株式会社会津コンピュータサイエンス研究所 代表取締役所長) 石橋 史朗 (会津大学 産学イノベーションセンター長) 座長:陳 文西(会津大学 教授) |
17:25 - 17:30 |
クローズトーク 会津大学 産学イノベーションセンター長 石橋 史朗 |
<2日目> 10月2日(月)
第三部:研究センター・クラスター成果発表 【 研究発表 】
9:30 - 9:40 |
オープニングトーク 会津大学 先端情報科学研究センター長 中村 章人 |
9:40 - 9:55 |
月惑星探査アーカイブサイエンス拠点としてのARC-Space共同研究プログラム成果紹介 宇宙情報科学研究センター 出村 裕英/奥平 恭子 |
9:55 - 10:10 |
サイバーフィジカルシステムとオンラインジャッジを内包したクラウドロボティクスシステム ロボット情報工学クラスター 矢口 勇一/成瀬 継太郎 |
10:10 - 10:25 |
不揮発ロジック回路技術とそのIoTデバイスへの応用 IoTクラスター 鈴木 大輔/奥山 祐市 |
10:25 - 10:35 |
休憩 |
10:35 - 10:50 |
人の暮らしに貢献する画像認識技術の実現を目指して ビジョンクラスター 富岡 洋一/奥山 祐市 |
10:50 - 11:05 |
スマートデザイン:人間中心の適応的な「人間・コンピュータ」共創 スマートデザイン 高橋 成雄/西舘 陽平 |
11:05 - 11:20 |
環境認知と学習に基づく車載型衛星通信装置の診断と最適化 先端的ネットワーキング リ ペン/蘇 春華 |
11:20 - 11:35 |
大規模言語モデルに基づくマルチエージェントシミュレーションとそのメディア効果推定への応用 データサイエンスとエンジニアリング 橋本 康弘/大藤 健太 |
11:35 - 12:05 |
質疑応答 |
12:05 - 13:00 |
昼休憩 |
13:00 - 13:15 |
サイバーセキュリティとAIの未来: 脅威と対策の進化 情報セキュリティ 中村 章人/蘇 春華 |
13:15 - 13:30 |
グリーンコンピューティングに基づいた大型交通データに潜む「回復知」の発見 知的交通システム ラゲ ウダイ キラン/サクセナ ディーピカー |
13:30 - 13:45 |
大規模言語モデルの助けをもとにしたAIモデルの開発 自動AIシステムデザイン 渡部 有隆/マルコフ コンスタンティン |
13:45 - 14:00 |
光学、人工知能、医療工学の融合とイノベーション 生体情報工学 朱 欣/呂 国偉 |
14:00 - 14:15 |
ARC-HPCクラスタにおける最近の研究課題 高性能計算とシミュレーション 中里 直人/浅井 信吉 |
14:15 - 14:30 |
ARC-SDUクラスタの活動報告 衛星データの利用 大竹 真紀子/小川 佳子 |
14:30 - 14:55 |
質疑応答 |
14:55 - 15:00 |
閉会挨拶 会津大学 宇宙情報科学研究センター長 出村 裕英 |
▷ 参加費:無料 [要事前申込]
第二部・第三部お申込みフォーム:https://forms.gle/3z9CxwWsiA79fXri7
▷ 会場、駐車場のご案内はこちら。 大学構内案内図.pdf
▷ 本フォーラムは、会津大学の公式YouTubeチャンネルでライブ配信されます。
ただし、日本語視聴のみ、コメント欄などから質疑応答は出来ませんので、予めご了承ください。
※URLの準備が出来ましたら、このページでお知らせいたします。
チャンネル登録をしてお待ちください。 → https://youtube.com/@univaizu
▷ 会津大学学際研究フォーラム2023チラシ JointResearchForum2023_JA.pdf
※ 本フォーラムの追加情報は下記会津大学公式アカウントからもお知らせいたします。
X(Twitter)アカウント https://twitter.com/univ_aizu
Facebookアカウント https://www.facebook.com/univaizu/
基調講演概要
基調講演 1 「半導体技術とAIコンピューティングの進展」 内山 邦男氏
2010年代の前半から、半導体分野でMoore's Lawの終焉が意識され、チップ開発における新しいパラダイムが模索されている。その中で、2012年にトロント大学が提唱したニューラルネットワークが世界的な画像認識コンテストで優勝し、それを契機に第3次AIブームが始まり、様々な産業でAIが実用化されるようになった。最近では生成AIの登場もあり、AIモデルのパラメータ数が半導体のムーアの法則をはるかに超えるペースで増え続けている。このため、効率よくAI処理を実現するためのAIチップ開発が、最先端半導体技術のテクノロジードライバーともなっている。
本講演では、これらの動向を踏まえて、近年の半導体技術とAIコンピューティングの進展、世界の動きについて概観する。また、我が国におけて、AIチップの開発支援ために産総研と東大が共同運営しているAIチップ設計拠点の活動についても紹介する。
基調講演 2 「新しいIoTの取り組み~月火星箱庭構想のための通信要素技術紹介」 村田 健史氏
これまでの月探査や惑星探査を含む宇宙プロジェクトの特徴の一つは膨大なコストがかかることであった。例えば、本講演のテーマである衛星通信でもトランスポンダーやアンテナを含め、衛星通信は専用システム化されている。一方で、衛星プロジェクトのもう一つの潮流として、小型衛星に代表される低コスト型の衛星プロジェクトが多くの国で進められている。コストがかからないことから、発展途上国等においても独自の衛星を打ち上げて観測を行う事例は枚挙にいとまがない。衛星通信分野においても、今後、COTS品を用いた通信が主流の一つとなることが予想される。COTS(商用オフザシェルフ)とはもともと独自開発や特注品が多く慢性的なコスト高に悩んでいた航空宇宙産業などで用いられている用語で、十分や品質や機能を持つ市販の民生品を活用し、開発スピードの向上やコストの削減に繋げることを意味する。すなわち、衛星通信に地上通信で広く利用されているTCP/IPプロトコルを導入することで商用の通信システムを流用することが可能となり、通信システムのコストを大幅に低減できる。本講演では、IP通信型衛星通信を通信プロトコルの視点から紹介する。
基調講演 3 「クラウドシステムによる脳波診断支援のAI 構築とその運用事例」 田中 聡久氏
脳波の自動診断支援については、様々な要素技術が提案されているが、広く普及しているとは言い難い。特に近年では、深層学習等の機械学習技術によって、異常放電のようなバイオマーカの検出や、長時間記録脳波からの発作検出などの精度向上が著しいが、データ収集やモデル開発の手順など、解決しなくてはならない問題が多い。本講演では、てんかん脳波の自動診断支援が必要とする機能を整理し、AI を含めた技術開発の道筋をクリアにする。また機械学習の開発事例として、てんかん性スパイク波を自己注意機構と呼ばれる手法で検出する技術を紹介する。機械学習によるアルゴリズム開発の要となるのがデータであるが、各医療施設にある検査データは必ずしも診断支援アルゴリズム開発に適したデータ・フォーマットを持っているとは限らない。また、アルゴリズム開発のために専門の医師にラベル付与作業を依頼するのは現実的でない。そこで、通常の診断プロセスで自動的にデータを整形、ラベルを付与できる仕組みを提案し、その実証実験について述べる。さらに、今後の持続可能な技術開発の展望について述べる。