2017年1月21日(土)から22日(日)にかけて會津稽古堂(※1)にて、会津大学 OpenAppLab(※2)とソラミツ株式会社(※3)が、「いろは(Iroha ※4)ハッカソン」を共同開催しました。「いろは」は日本初の「Hyperledger(ハイパーレジャー ※5)」のインキュベーションプロジェクトに認定されたブロックチェーン(※6)技術です。参加者らは活発に意見を交換し、理解を深めました。
会津大生らが参加したチーム「TeamUMC」が最優秀賞を獲得しました。
最優秀賞
作品名:「ぴゅあチケ」
チーム:TeamUMC
チームメンバー:小林健人さん(学部4年)、渡邊隆仙さん(学部2年)、阿部元彦さん(学部4年)、岡田隆さん(一般)
作品概要:ブロックチェーン「いろは」を利用したチケット取引アプリです
作品紹介:
「ぴゅあチケ」とは、ブロックチェーン「いろは」を利用した、ライブ・コンサート等のチケットを取引するアプリケーションです。従来のシステムでは、仲介業者を介してチケットを売買していましたが、このアプリではブロックチェーン「いろは」の利用により、アーティストとライブに行きたい人を直接結びつけます。アプリ名称の「ぴゅあ」は、仲介者がいない状態でアーティストとファンが「純粋に」取引できるところから取りました。このアプリでは、「お気に入り」登録したアーティストからの最新情報プッシュ通知機能、ライブ告知、チケット購入、ユーザ間のチャット等、ユーザにとって便利な機能が数多くあります。
- プッシュ通知機能:アーティストからの最新情報プッシュ通知機能は、まるで直接アーティストからライブ・コンサートに招待されるような感覚を味わうことが出来ます。
- 確実にライブに参加できるための機能:ファンにとって悩ましい問題は、アーティスト側が需要に対するチケット供給を確保できないことです。このアプリではその解決法も実装しています。クラウドファンディングの考え方を応用し、事前にライブ参加希望者を募り出資してもらい、その出資額に応じた会場を設定することによって、ライブに参加したい人全員が確実に参加できる仕組みを実現しました。
- チケット不正転売の防止(未実装、実装予定):昨今問題とされているチケット転売問題も、このアプリによって解決できます。アプリを利用することで、正規の手続きを踏み、定額かそれに近い適正な価格によるチケット譲渡が可能です。チケットのやり取りはブロックチェーンに記録されるため、高額で不正に転売する所謂「ダフ屋」行為を防止できます。
「ぴゅあちけ」のスクリーンショット
コメント:
- 小林健人さん「私自身あまりハッカソンには慣れていませんでしたが、ブロックチェーンハッカソンで最優秀賞を頂けてとてもうれしく思います。ブロックチェーンと非常に親和性の高い、無から有を生み出す「チケット」に着眼点を置き、参加者もアーティストもウィン・ウィンとなる世界を構築できる構図を提案することができました」
- 阿部元彦さん「アイデアソンを通して、様々な人のブロックチェーン技術に対する期待を共有できました。またハッカソンを通して、コアな技術開発が十分一般に身近なレベルで利用できることを確認できました。」
- 渡邉隆仙さん「参加する前はブロックチェーン技術は難しいというイメージを抱いていましたが、このハッカソンに参加して使ってみて、自分でも使える技術であるということがわかり、想像以上に様々な使い道があることもわかりました。また、今回とても面白いアイデアを小林さんに考案していただいて、楽しく開発することができました。」
TeamUMCの会津大生メンバーと藤井靖史准教授(右端 ※7)
今回のハッカソンには市役所や金融機関からも参加者があり、今後ブロックチェーンをどのように活用していくかの討論も活発に行われました。会津地方におけるブロックチェーンの広がりについて、展望が広がったハッカソンとなりました。
- ※1 會津稽古堂
- ※2 OpenAppLab
- ※3 ソラミツ株式会社
- ※4 いろは(iroha)
- 「いろは」を用いた過去の実証実験例:福島Moe祭2016 with マジカル福島にて仮想通貨「萌貨」の実証実験を行いました
- ※5 Hyperledger(ハイパーレジャー):Linux Foundationが中心となり、世界30以上の先進的IT企業が協力し、ブロックチェーン技術の確立を目指しているオープンソースコミュニティ
- ※6 ブロックチェーン:電子資産の取引を記録する分散型の帳簿技術
- ※7 藤井靖史准教授