宮崎敏明教授(※1)と李鵬准教授(※2)の研究室では、総務省戦略的情報通信開発推進事業(SCOPE) (※3)の採択を受け、2016年度から3年間、学生証などに使用されている無線RFIDタグ(※4)を、室内の壁やモノに貼り付け、人体に何も装着することなく、生活行動や睡眠状態を把握する研究を行ってきました。

 本研究の最終目標は、人体に何も装着せずに、プライバシーを犯すことなく個人の屋内活動を長期間モニターし、人工知能が、当人も気付かない生活習慣の変化を捉え、病気の兆候や運動不足などをAIスピーカやTV画面などを通じて知らせてくれるシステムの実現です。

 同研究室では、2019年10月9日に都内の明治記念会館で開催された総務省主催『ICTイノベーションフォーラム2019』(※5)において、上記研究成果をポスター発表しました。

 当日は、「電波反射とビッグデータを用いたスマートホームにおける人の活動と健康状態のトラッキング」と題して、宮崎教授と研究室の学生納谷かごめ(大学院修士2年生)さんが多数の来場者に研究内容の説明をしました。

 来場者からは、「取得したデータは医科系大学などが行っている別プロジェクトと共有するとより発展性のある研究になると思う」など、前向きなコメントを数多くいただきました。同研究室では、SCOPEの支援は終了しましたが、介護施設や病院の見守り・健康管理などへの適用を視野に、引き続き研究を進めていく予定です。

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来場者にポスター前で説明する納谷かごめさん(右)