Excellent Paper Awardに会津大生 ―国際学会iCAST2012―
国際学会The 4th International Conference on Awareness Science and Technology(iCAST2012)で、会津大生が発表した論文がExcellent Paper Awardを受賞しました。
8月21日(火)から24日(金)まで韓国の高麗大学で開催されたiCAST2012は、アウェアネスコンピューティングに関する最新の技術、その応用についての提案や議論が行われました。この分野では新たな理論と手法が幅広く展開されており、研究領域も複合的であることから、会津大学からも関連する教員や学生が多数参加しました。
Excellent Paper Awardは、学会で発表された論文の中でも学生を筆頭著者とする、とくに優れた論文に贈られるもので、受賞したのは渡會恭平さん(博士前期課程2年)と佐々木健さん(学部4年)です。
渡會さんの論文「Decision Boundary Learning Based on Particle Swarm Optimization」(和訳:改良型PSOによる判別境界学習法)では、機械学習の分野において優れた認識性能を示すSupport Vector Machine (SVM)はメモリ消費が多く、ポータブルデバイスへの組み込みには適していないことから、SVMより小型のNeural Network(NN)上でSVMと同等、もしくは、それ以上の性能を実現するため、改良したParticle Swarm Optimization(PSO)を用いたNNの学習手法を提案。これはPSOで学習するデータをSVMの判別境界に近づけた上で、それをNNに学習させるもので、実験の結果、従来のSVM・NNによる認識性能を上回ったことが評価されました。
佐々木さんは「Extracting a Spatial Ontology from a Large Flickr Tag Dataset」(和訳:巨大なFlickrタグデータセットからの空間オントロジー抽出)を発表しました。情報検索において、膨大なタグ情報から語句の類似性を分かりやすくすることを目標に取り組んだ研究は、空間上に自動的にデータを配置する「Spatial Ontology」の構成です。ある言葉を分類する概念の階層とつながりを表すオントロジー。ネットワーク間の親和性を用いて空間上にオントロジーを抽出することにより、空間の距離から語句の関連性や類似性を分かりやすく表現しています。
二人はこの受賞を励みに、今後も改良を重ねながら研究を追及していきたいと話しています。
Excellent Paper Awardを受賞した渡會さん(左)と佐々木さん(右)