2016年4月2日(土)、平成28年度入学式が挙行されました。
当日は晴天に恵まれ、内堀雅雄福島県知事をはじめとするご来賓の方々をお迎えし、和やかな雰囲気の中にも厳粛な式となりました。式では学部入学生242名、博士前期課程69名、博士後期課程6名、合計317名全員の名前が読み上げられ、岡学長が入学許可を宣言しました。
岡学長は入学生を歓迎し、「福島県は復興に向けて、本格的な段階に入っており、皆さん若者の活躍に期待するところが大きく、特に皆さんが学ぶICT技術を 通じての貢献が期待されています。」と式辞を述べました。入学生を代表して五十嵐善史さん(コンピュータ理工学部)、竹重朱音さん(博士前期課程)が宣誓を 行いました。
入学式の後、入学生全員での記念撮影が行われました。記念撮影の後には、軽音部によるバンド演奏が行われ、バンドの軽快な演奏や歌声、在学生によるサークル活動紹介の声が響く等、学内は新入生を歓迎する活気で満ち溢れていました。
岡学長の式辞(全文)はこちらをご覧下さい。
会場前で記念撮影する参加者
式典前の新入生
式典の様子
新入生宣誓
新入生を勧誘するテニスサークルとよさこいサークル「慧」のメンバー
会津の地もようやく雪が溶け始め、春の訪れに心和む季節となりました。
本日、この会津の地に参集された、学部入学生242名、博士前期課程69名、博士後期課程6名、合計317名の皆さん、会津大学入学おめでとう。本日は、福島県知事、福島県議会議長、会津若松市長、他ご来賓の皆様をお迎えし、教職員一同、皆さんの入学を祝したいと思います。そして、皆さんのご家族や、皆さんをこれまで支援して頂いた方々にもお祝いを申しあげたいと思います。
今、福島県は、震災から5年が過ぎ、復興に向けて、本格的な活動段階に入っています。そして、福島の復興は、日本の復興の先駆けともいえます。それには、皆さん若者の活躍に期待するところが大きく、特に皆さんが学ぶICT 技術を通じての貢献が、期待されています。本学は一昨年、文部科学省のスーパーグローバル大学の一つに選ばれました。現在、その活動も本格化しており、世界的に活躍する人材の育成を通じて、福島の復興に寄与していくことを、我々は決意しています。
さて、これから、皆さんは「自由との格闘の時期」を迎えます。高校までのある意味、拘束された時期を経て、いま、皆さんの前に、様々な自由が広がっています。これには、戸惑いを伴いますが、その戸惑いこそが、これまでの高校までの拘束の反動でもあります。そこで、この自由とどのように取り組んでいくかが、その後の人生に、大きな差がでてきます。その渦中にいるときはわかりませんが、時間が過ぎたあと、5年や10年経ったあとに気づきます。この自由な世界には、知的なもの、人間関係、社会への見方などがあります。知的には、大学で勉強するなかで、これまで、高校までには想像もしなかった知識や技術、考え方などに出会います。また、人間関係では、いろいろの生育環境の異なった友人との出会いがあります。社会への見方では、いま世界や日本で起きている様々な出来事の背景にある考え方を、多様にまた深く考える機会となります。ここでも、社会科学や文化は、本来的に、技術と無縁ではないことに気づくはずです。
これらの事との出会いの中で、自分がいかに物事を知らなかったか、自分の考えというものがいかに無かったかを自覚するでしょう。これが言わば、皆さんの自由との出会いでもあると思ってください。そして、皆さんは、ここで、どれだけ真剣に考え、選択し、そして行動するかということが問われます。そして皆さんのアイデンティティが形成されていくはずです。これらの経験は、皆さんが会津大学を卒業して、社会に出る本当の資格の獲得に寄与するものです。
会津大学はIT、情報科学、情報技術を専門にする大学です。皆さんは、これらの専門の内容については、ほとんど白紙であると思います。IT技術の役割、そしてその価値は今後も、社会、経済で中核になっていくことが理解できるようになります。これは皆さんがいま想像をしている以上のものです。そして、これらの技術を身につけることと、先ほど述べました様々な自由と格闘することとを結びつけてください。この結びつきが皆さんの成長を保証します。
会津大学の教職員は、皆さんのこれからの成長を支援していきます。そして皆さんの努力が実を結び、卒業後、自信をもって社会へ出て行かれることを期待して、私の式辞とします。
入学、おめでとうございます。
平成28年4月2日 会津大学学長 岡 嶐一