教員との交流を大切に ―平成24年度入学式―

h24entrance34月3日(火)、平成24年度会津大学入学式が行われ、コンピュータ理工学部で256名、大学院コンピュータ理工学研究科で68名が、情報技術と国際性を身に付ける新たな学生生活をスタートしました。
入学式では新入生全員の名前が読みあげられ、角山茂章学長が入学許可を宣言すると、「最先端の研究(Top)に学生が参加して技術を体得する(Down)会津大学の『Top Down教育』の下、教員との交流を深め、勉学に励んでほしい」と式辞を述べました。
学部入学生の過半数が福島県内の出身者ですが、昨年に続き、日系IT企業の進出が続くベトナムのハノイ工科大学から5名が3年次に編入。また、4年ぶりの飛び級で田茂井圭祐さん(京都出身)が入学したことが話題です。田茂井さんは「少しでも早く学びたい気持ちから飛び級を目指した。社会を支えるシステムの開発がしたい」と抱負を話しています。
入学式の後、新入生は記念撮影に臨み(写真)、サークル活動の勧誘に集まった在校生の歓迎を受けました。4日(水)からは履修登録やワークステーションの利用など学生生活に関するオリエンテーションに参加し、9日(月)から授業が開始します。

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会場へ向かう新入生と保護者(左)、会場で「苦手な英語をしっかり身に付けたい」と話す新入生の遠藤昂矢さん(右、手前が遠藤さん)

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入学許可の宣言(左)、入学生宣誓をする学部代表の阿部峻也さん(右)

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入学式ライブをPRする在校生(左)、新入生にチラシでサークル勧誘(右)

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h24entrance1昨年は東日本大震災に続く原子力発電所の事故で、東京から東北の広い地域で入学式が5月にずれ込みました。今年は、このように4月の早い段階で平成24年度の会津大学入学式を、御来賓並びに関係各位の御臨席のもとに挙行できますことは、大きな喜びであります。学部入学生256名、博士前期課程63名、博士後期課程5名、合計324名の皆さんの入学を、全教職員、心から歓迎しております。昨年に続き、ベトナム・ハノイ工科大学からの5名も入学されていますので、ご紹介させて頂きます。

新入生諸君、皆さんがこれまで長年にわたり勉学に励み、努力されてきたことに心からの敬意を表します。また今日まで皆さんを育て、指導し、暖かく見守ってこられた御両親、御家族の皆様、さぞお喜びのことと思います。心からお祝いを申し上げます。

新入生の皆さんは、会津大学に入り、どのような人生がこれから開かれていくか、大きな夢と期待を持って入学されたと思います。本学は、情報技術の最先端を学べる大学だと思ってきていることだと思います。勿論、それは正しいのですが、本学は日本にいて留学したと同様な教育が受けられる、国内では数少ない工学系の大学でもあります。

以前、中央教育審議会で「高等教育の将来像」が議論されました。そこでは、21世紀を「知識基盤社会」と位置づけ、個人の人格形成の上でも、社会を発展させる国際競争力を高める上でも、高等教育が重要な役割を担うと指摘しています。

民間会社では、日本人と外国人の学生を区別せずに採用する会社も出てきており、国際性を持った人材が強く期待されています。我々を囲む社会全体も、グローバルな環境のもと、常に大きく変化しつつあり、東京大学の秋入学の議論が今年になって始まったことは、皆さんの記憶にあることと思いす。 このような社会情勢の中で、皆さんは、本日からこの会津大学で勉学を始めるわけですが、そうは言っても昨日までは高校生だった諸君は、「何を期待されるのだろうか」と大変心配なことと思います。今日から親元を離れて会津に来て、多数の外国人教員に囲まれると誰でも心配になります。でも、心配は要りません。ここは教育機関です。皆さんを大勢の教員が温かく迎える準備は出来ています。

ただ、お願いがあります。是非、皆さんは先生方と顔があったら、是非一言簡単な挨拶をしてください。人間にとって短い言葉でも会話をすればお互いの親近感は大きく変わります。名古屋大学が、心理テストをしました。わざと人を怒らせると、相手の方の左右の脳波に差が出てしまうが、最後に謝罪の一言がついていると脳波のバランスは改善されるとのことです。人の悪い実験です。しかし、人にとって、如何に一言が大切なことが分かります。外国人の教員と会ったときでも、是非「Hello」の一言から、本学での勉学生活を始めてください。そういう日々を4年間続ければ、皆さんは必ず英語で元気に交流ができるようになります。

また、教員も皆さんと話したいのです。会津大学は「Top Down教育」と言う考え方をとっています。ここで言う「Top Down」とは、一般に言う上意下達ではありません。Topとは、本学で行われている世界最先端の研究で、そこに学生が参加して先端技術を少しずつ体得して身につけていくのをDownと表現しています。教員にとっては、学生が積極的に研究に参加し、遂行してくれることが、研究を進める上で必要なのです。ですから、教員も皆さんから声をかけてくれることを期待しています。是非、今日から交流を進めてください。

会津大学は地方の小規模な大学です。しかし、私は地方の落ち着いた環境だからこそ良い教育が出来るのだと思います。学生諸君は、今日から世界トップレベルの教授陣から一対一での薫陶を受け、育っていくのですが、それが真のエリート教育だと私は思います。地方にあるからこそ、夕食を終わって、トップレベルの先生方がまた大学に戻って来られて、学生とじっくり議論が出来るのです。そういった恵まれた環境で皆さんは今日から勉学に励みます。是非、自分の未来に自信を持って、今日からまい進して下さい。

会津大学 学長 角山 茂章

[最終更新日]2012-04-05