平成25年度学位記授与式が開催されました

 3月20日(木)、会津大学にて平成25年度学位記授与式が開催されました。コンピュータ理工学部を卒業した209名、大学院コンピュータ理工学研究科において所定の課程を修了した59名は、それぞれの進路で社会への貢献を目指します。

 授与式では角山茂章学長が学部卒業生総代の澤井秀仁さん、博士前期課程修了生総代の金田祐也さん、博士の後期課程修了者にそれぞれ学位記を授与し、「震災等さまざまな困難があり苦労したと思うが、世界が活躍を待っている。輝かしい人生を送ってほしい」と式辞を述べました。

 福島県知事、会津若松市長からの祝辞に続き、在学中に優秀な成績、研究の成果を収めた学生の表彰が行われました。答辞では、学部卒業生代表の平野雅さんが「会津大学で得た経験を生かし、震災で苦しむ人たちの困難の壁に、希望の扉を開けられるよう精進していきたい」と誓いました。

 授与式終了後には、記念写真撮影及び個人学位記の授与、続けて学生食堂にて後援会主催の卒業記念パーティが行われました。学生生活最後となるこのパーティは、楽しい雰囲気の中で行われ、参加者たちが歓談を楽しんでいました。

 なお、学生表彰の表彰内容は下記の通りです。

学長賞 澤井秀仁(学部)
金田祐也(博士前期課程)
優秀賞 平野雅(学部)
古谷翔太(学部)
Mai Viet Vuong (博士前期課程)
電子情報通信学会東北支部表彰 村上和輝(学部)
情報処理学会東北支部表彰 鈴木恵利(学部)
電気学会東北支部表彰 勝田究吾(学部)
公益財団法人会津地域教育・
学術振興財団表彰
岩田基史(学部)
木下達生(博士前期課程)


美しい民族衣装で式に参加した外国人留学生(左)、氏名を読み上げられ起立した卒業生(右)


卒業生総代・澤井秀仁さんへの学位記授与(左)、答辞を述べる平野雅さん(右)


式終了後に行なわれた個人への学位記授与(左右)


金屏風に晴れ着があでやかな記念撮影(左)、学食の味ともこれでお別れ(右)


卒業生そろっての記念撮影

平成25年度学位記授与式 式辞

 会津大学学部卒業生209名、博士前期課程修了生56名、博士後期課程修了生3名、合計268名の皆さん、本日は誠におめでとうございます。大学を代表して心からお祝い申し上げます。

 東日本大震災から今年で3年が経ち、福島県が復興に向けて着実に歩んでいく中で、このようにご来賓の方をお迎えでき、また多数のご家族の方のご出席も頂き、本学の教職員一同にとって感無量の思いがあります。心より感謝を申し上げます。

 3年前といいますと、学部の卒業生は2年生になる時、博士前期課程の修了生は学部の4年生になる時で、今から考えると、様々な混乱があり、苦労をしたことと思います。本学としても、学生諸君の中に一人も被害が無く、全員の安否確認ができ、先生方と喜び合ったことを昨日のように思い出します。

 さて、本学は今年度で20周年を迎え、昨年の5月には東京・新宿で同窓会が盛大に開かれ、初代学長の国井先生による講演会が行われました。初期の頃の卒業生は40歳近くになり、様々な企業の第一線で活躍している人、卒業当初から構想を練り、予定通りベンチャー企業を設立した人など、大勢の元気な卒業生が集まってくれました。
 本日から、皆さんはその元気な本学卒業生の一員となります。活躍を期待しています。

 開学時に國井先生は会津大学叢書「会津大学が目指すもの」に「会津大学建学とその理念」を書かれました。冒頭に「国際地域から世界へ知識を進歩させる会津大学」という高い目標を掲げ、地域文化に根差し、個性ある教育を具体化し、センター・オブ・エクセレンス実現のために国際的な人材公募を行い、地域産業を世界産業に推し進めるなどといった七つの目標です。
 この示唆に富んだ目標に沿った大学運営が進められ、現在も本学は「とんがった大学」、即ち個性ある大学として着実に発展して来ており、規模は小さいものの、その存在は大きく評価されています。

 個性ある教育の成果は、東日本大震災以降においても、本学の学生によるニフティ・ウェブコンテストでの金賞受賞、情報セキュリティ技術を競う世界ハッカー大会での上位入賞、国際会議の論文賞受賞と、数々の賞を獲得したことに現れました。昨年10月には、本学学生と会津大学発ベンチャーが、世界最大規模の医療情報技術大会で世界保健機構の活動を一般に分かりやすく表現する競争で世界第1位に輝きました。
 この成果は、その後福島県知事の講演で幾度か引用されたということで、まさに本学の誇りと言える出来事でした。

 昨年の11月には、会津若松城の三の丸に司馬遼太郎先生の文学碑が建立されました。司馬先生は本学に多大な関心をお持ちになり、開学1周年の際、「コンピュータを三国志時代に戦場を疾走する一輪車としてとらえ、常に歴史観と大局観を持って謙虚に世界を学び続けなければならない」と本学を応援する力強い講演をして下さいました。
また司馬先生は、学生への訓示でしばしば中国の詩聖、曹植の言葉、「丈夫四海を志さば、萬里猶お比隣のごとし」を引用されました。これは、「良い心を持つ者、世界を志さば、あたかも隣家のようなものだ」という意味です。
 この二つの言葉は、本日卒業を迎えた諸君に、学長から送る言葉として最も相応しい言葉だと思います。

 現代は、グローバルの時代、文化的に多様なものが求められる時代と言われていますが、今こそ会津大学の卒業生が活躍する時代だと思います。世界は諸君の活躍を待っています。皆さんが一人一人、輝かしい人生を送られることを期待し、式辞とさせていただきます。

平成26年3月20日
会津大学 学長 角山茂章