平成28年3月18日(金)、会津大学講堂にて平成27年度学位記授与式が開催されました。コンピュータ理工学部卒業生212名、大学院博士前期 課程修了生53名、大学院博士後期課程修了生2名、論文博士課程学位取得者1名の計268名が、それぞれの進路で社会への貢献を目指します。

  授与式では岡嶐一学長が学部卒業生総代の渡部智史さん、博士前期課程修了生総代の村上和輝さん、博士の後期課程修了者及び博士論文学位取 得者それぞれに学位記を授与しました。岡学長は、「皆さんは、どの道を進むにせよ、悪戦苦闘の連続の日々が待っていると思っていて間違いありません。ここをどのように通過するかで、皆さんの成長の度合いが決まります。皆さんは、IT技術者として、この復興へ参加、貢献することが、大いに期待されています。これからの健闘を期待しています」と式辞を述べました。

  福島県知事、福島県議会議長、会津若松市長からの祝辞に続き、在学中に優秀な成績や研究の成果を収めた学生の表彰が行われました。答辞では、学部卒業生代表の塩澤隼人さん が 「会津大学で学ぶことができて、本当によかったと思います。在学中に先生方から教えていただいたこと、そして、個性豊かな友人と過ごす中で得たことは計り知れません。私たちは会津大学を卒業する誇りを胸に、自らが選んだ道を歩み続ける決意です。ここで学んだことを通し、地域社会・国際社会に貢献していける人材となれるよう日々邁進していく所存です」と誓いました。

 授与式終了後には、記念写真撮影及び個人学位記の授与、学生食堂にて後援会主催の卒業記念パーティーが行われました。学生生活最後となるこのパーティーは、和やかな雰囲気の中で行われ、参加者たちが歓談や記念撮影を楽しんでいました。

 なお、学生表彰の表彰内容は下記の通りです。

学長賞 渡部 智史(学部)
村上 和輝(博士前期課程)
優秀賞 美馬 久行(学部)
塩澤 隼人(学部)
富樫 尚弘(博士前期課程)
電子情報通信学会東北支部表彰 小林 将也(学部)
情報処理学会東北支部表彰 三浦 佑斗(学部)
電気学会東北支部表彰 吉見 宗真(学部)
公益財団法人会津地域教育・
学術振興財団表彰
武藤 大樹(学部)

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学位記を授与される渡部智史さん

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答辞を読む塩澤隼人さん

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記念撮影する女子学生たち

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式終了後に行なわれた個人学位記授与

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卒業記念パーティーを楽しむ参加者たち

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平成27年度学位記授与式 式辞

 この会津の地も、春の到来を間もなくにして、気持ちも和む季節となりました。そして皆さんには、それにも増して喜びである学位記授与式を、ここに迎えられました。本日、学位を授与される学生は、学部212名、大学院博士前期課程53名、大学院博士後期課程2名、論文博士1名の皆さんです。誠におめでとうございます。

 本日は、福島県知事、福島県議会議長、会津若松市長ほか、ご来賓の方々をお迎えし、教職員ともども、皆さんの卒業・修了を祝したいと思います。そして、誰より、ご家族を始め、皆さんをこれまで支えてこられた方々が、今日の日を心から喜んでおられると思います。大学として、関係者の皆様方のこれまでのご支援に、深謝いたします。

 さて、皆さんは、会津大学を卒業して社会にでる方、あるいは大学院に進学される方のどちらかであると思います。これからの時代は、日本も世界も新たな激動の時代に入ることは確かです。産業に関していえば、従来の考え方、モデルが通用しないと言われています。例えば、製品のコモディティ化(「日用品化ですね」)による、ものの生産の多くが先進国から発展途上国へ移行しています。また、ITの広がりによる、ものと情報のあり方が大変化しています。ウェブによって生産と消費とサービスに関するモデルが一変しました。さらに、日本は部品まわりのものは大変優れていますが、システムの製品化が弱いといわれています。いま、産業を牽引しているのは、このシステム商品です。システムには、新しい機能と、使いやすいデザインの双方において、市場での卓越性がなくてはならないのです。ここにおいても、IT技術の新たなる挑戦の場があるといえます。皆さんには、IT技術とデザインとの融合を目指して頂きたいと思います。

 このような時代を目前にして、社会へでる方、また大学院に進まれる方も、大学で学んだ基礎の技術がどのように先端の技術に結びついているかを、これから再度確認してくだい。そして、イノベーションがどのように行われるか、小さなことでもいいので、追体験をしてください。そして、自分がついた職場での仕事や研究において、その可能性があるのかどうかを調べてください。どんな大きいイノベーションでも、そのコアとなっているものは、あたりまえのこと、単純なことである場合が多いのです。そして、そのイノベーションを起こす機会は、太陽の光のように,誰にでも降り注いでいたことも分かると思います。

 皆さんは、社会にでるにせよ、大学院に進まれるにせよ、悪戦苦闘の連続の日々が待っていると思っていて間違いありません。ここをどのように通過するかで、皆さんの成長の度合いが決まります。回り道も、時には必要であれば、遠慮なくするのも一案です。

 大震災から5年が経過し、これから福島、そして日本の復興を本格的に稼働、加速する時期となっています。皆さんは、IT技術者として、この復興へ参加、貢献することが、大いに期待されています。

 皆さんの、これからの健闘を期待して、私の式辞といたします。卒業おめでとうございます。

平成二十八年三月十八日
会津大学 学長  岡 嶐一