会津大学の愼重弼教授らの研究チームが、脳波(EEG)の電極数を削減しながら高精度な判別を目指す深層学習手法を開発しました。論文は科学誌『Scientific Reports』(Nature Portfolio)に Article in Press として公開され、DOIを用いて引用できます。

98.60%
(公開データを用いた交差検証での結果)

記録単位の判別正解率(平均)

EEGチャネル数の削減検証
(19 →12)

使用EEGチャネル数

113

重複を除去したEEG記録数

研究の概要

 アルツハイマー病(AD)の早期発見を支援するため、研究チームは非侵襲的で比較的低コストな脳波データに着目しました。提案手法「Fused-MSCA-2B」は、異なる時間スケールの特徴を学習するチャネル注意機構を備えた2系統の1次元畳み込みニューラルネットワークを統合したモデルです。さらに、説明可能なAI技術「Integrated Gradients」を用い、学習過程の検証データに基づいて重要なEEGチャネルを選択します。
(公開EEGデータを用いた検証)
Fig1 j.png

EEG_AD_poster_V2.jpg
pdfデータ: https://u-aizu.ac.jp/files/EEG_AD_poster_V2.pdf

主な結果と意義

 2つの公開EEGデータ資源から信号の重複を除外した113記録(AD 88記録、健常対照25記録)を用いて検証しました。19チャネルから12チャネルに削減した構成で、記録単位の判別正解率98.60% ± 1.18%、感度99.07%、特異度96.60%、ROC-AUC 0.9991を報告しています。記録単位のグループ化交差検証を採用し、評価対象の記録をチャネル選択に利用しないよう設計しています。

 本成果は、将来的に装着負担の少ないEEGによる判別支援システムへつながる可能性を示すものです。一方、実際の臨床診断への利用には、より大規模な独立データや多施設での検証が必要です。

論文情報

論文名:EEG-based Alzheimer's disease detection using two-branch multi-scale deep learning with integrated gradients-guided channel selection

著者:Jungpil Shin, Najmul Hassan, Abu Saleh Musa Miah, Satoshi Nishimura

掲載誌:Scientific Reports(Article in Press、2026年)/受理日:2026年10月13日/オンライン公開日:2026年10月20日

DOI / 論文URL:https://doi.org/10.1038/s41598-026-76382-3

Link to paper:https://u-aizu.ac.jp/files/s41598-026-76382-3_reference.pdf
       Open Access(CC BY 4.0)

注:98.60%は研究データセットでの交差検証に基づく記録単位の分類正解率であり、臨床環境における診断精度を保証するものではありません。最終校正版(Version of Record)は今後公開予定です。