コンピュータ通信研究室(CCL)のアン・T・ファン教授に指導され、推薦を受けた大学院生(M2)のタン・グエンさんが、2024年のIEEE ComSoc Sendai Chapter Student Excellent Research Awardを受賞しました。この賞は、IEEE通信学会(ComSoc)が対象とする研究分野で優れた成果を上げた、東北地域の学生を対象にしています。毎年、最大3名の学生がこの栄誉ある賞を受賞します(1)。

 IEEE ComSocは、1952年にIRE(Institute of Radio Engineers)の通信システム専門グループ(PGCS)が設立され、以来発展を遂げてきました(2)。現在では、通信技術の向上に関心を持つ世界中の業界専門家が集まる多様なグループとなっています。1972年1月に独立したIEEE(電気電子技術者協会)(3) の学会として活動を開始し、8,800人以上の会員を有するComSocは、通信技術と情報ネットワークに関するアイデア交換のための主要な国際フォーラムとなっています。

 Student Excellent Research Awardの受賞候補者は、IEEE ComSocが主催または共催(「ポートフォリオイベント」または「技術共催」)する論文誌(ジャーナル/トランザクション)や査読付き国際会議に少なくとも1本の論文を発表している必要があります。これまでの受賞者の多くは博士課程の学生であり、タンさんはCCLからこの賞を受賞した初めての修士課程の学生です。

 タンさんの研究分野は通信理論であり、特に可視光通信における信号処理に焦点を当てています。日本での研究は、日本政府の奨学金(文部科学省奨学金)によって支援されています。受賞の理由は、2024年IEEEグローバル通信会議(GLOBECOM)で発表された「Multi-user VLCシステムのための確率的コンステレーションシェーピングと前処理の共同設計」という論文にあります(4)。この受賞に加え、タンさんは、NEC C&C財団から28万円の渡航助成金も受け取り、会議に参加しました(5)。

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タン・グエンさんのコメント:
「2024 IEEE ComSoc Sendai Chapter Student Excellent Research Awardを受賞でき、大変光栄です。この受賞は私の研究人生の大きなモチベーションとなりました。指導してくださったアン・T・ファン教授、共同研究者のファン・V・ファム教授(静岡大学)に深く感謝しています。また、私の学びを支援してくださった日本政府、そしてIEEE GLOBECOM 2024で研究を発表するための渡航費を提供してくださったNEC C&C財団に感謝申し上げます。」

(1) https://ieee-jp.org/japancouncil/chapter/adm/support/award/2015-0040.pdf
(2) IEEE ComSoc: IEEE Communications Society
(3) IEEE: The Institute of Electrical and Electronics Engineers
(4) IEEE Globecom: https://globecom2024.ieee-globecom.org
(5) 公益財団法人NEC C&C財団