1. タバコを吸ったときの身体への影響

タバコの煙の三大有害物質

ニコチン
末梢神経を収縮させ血圧を上昇、心拍数を増加させる依存物質
タール
がんの発生を促したり、発生を助ける発がん物質を含む化学物質
一酸化炭素
赤血球中のヘモグロビンと結合して、身体を酸欠状態にする

タバコの有害物質によって引き起こされる症状

  • 脳の血流減少
  • 口臭
  • 食欲の低下
  • 血圧の上昇
  • 心拍数の増加
  • 肌荒れ
  • 味覚・臭覚の低下
  • まぶたの腫れ
  • 首や肩のこり

タバコの有害物質によって引き起こされる病気

妊娠への影響
男性の精子の数が13~17%減少
女性の妊娠率が28%減少
妊婦への影響
低体重児(出生時体重2,800g未満)、早産、流産、妊娠合併症
口腔、咽頭、肺、食道、胃、肝臓、膀胱など
呼吸器系
肺気腫、慢性気管支炎、気管支拡張症、COPD(慢性閉塞性肺疾患)
循環器系
狭心症、心筋梗塞、高血圧、動脈硬化
消化器系
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食道炎
歯周病

2. タバコを吸ったときの心への影響

ニコチン依存症
ニコチンは脳内で神経終末のドーパミンの放出を促し、快感や多幸感を増強します。
これは、コカイン(麻薬)やアンフェタミン(覚せい剤)と同じです。
心理、行動的依存
タバコを吸うことが日常生活に組み込まれ、習慣化した状態になる。

3. タバコを吸うことをやめると、こんな効果があります。

1分禁煙すると
タバコのダメージから回復しようと機能が回復しはじめる。
20分で
血圧は正常近くまで下降する。脈拍も正常付近に復帰する。
手の体温が正常までに上昇する。
8時間で
血中の一酸化炭素レベルが正常域に戻り、血中酸素分圧が正常になって、運動能力が改善する。
24時間で
心臓発作の確率が下がる。
48時間で
臭いと味の感覚が復活し始める。
48~72時間で
ニコチンが身体から完全に抜ける。
72時間
気管支の収縮がとれ、呼吸が楽になる肺活量が増加し始める。

4. タバコをやめたいと思っている方へ

医療機関で治療する
  • ニコチンパッチ(ニコチン代替療法)
    タバコに代わってニコチンをゆっくり体内に補充します。ニコチンの禁断症状を和らげ禁煙するのを助けてくれます。
  • 内服薬
    喫煙したい欲求とニコチンからの離脱症状を緩和してくれます。