会津三十三観音札所巡り(第九日)

平成15年12月13日

この日は,中田(30番)の近くまでバスで行き,その後,雀林(29番)を参拝し,会津高田町内まで戻り,そののち会津若松市内の2つの観音堂(石塚(19番)と御山(20番))を参拝する.
中田第三十番
普門山
弘安寺
十一面観世音
中田
中田御朱印9:00 バスターミナル発の新鶴温泉行きのバスに乗車.9:33 に「中田前」バス停に到着.7〜8分程で弘安寺に到着.

近くに御土産屋も開いている.参拝者もぽつぽつと来ていた.いままでの参拝で,寺または観音堂の近くに,御土産屋があるのは初めてかも,国宝のある勝常寺や龍興寺にもなかったし(もっとも龍興寺は街中だが).ころり三観音の1つでもあるらしいので,その力か.

御朱印の右上には,「國寶/十一面尊/不動明王/地蔵菩薩」とある.鋳像による銅造十一面観世音菩薩、脇侍不動明王・地蔵菩薩立像の三体が収められているとのこと(脇侍の脇侍不動明王・地蔵菩薩立像について銅造か否かは不明)。これらは、国の重要文化財に指定されている.しかしながら,現在,国から「国宝」との指定はないと思われる.その一方で,下の解説文によれば,昭和三年に「国宝」として指定されたと書いてある.(このあたり不明)

「江川長者」に関する伝説に関しては文献[1]を参照.

野口英世が帰国の際に,母シカと参拝をしている写真も観音堂内にある.そこにある写真は文献[6]の p.33 にあるものと同じと思う.ちなみに,野口英世は,ノーベル賞の候補に3回なったそうだ.

観音堂右手のお守り等を販売するところで,御朱印を頂ける模様.その販売所が閉まっていたので,備え付けの「ブザー」を押し,お寺の方に来てもらい,御朱印を頂いた.三十三観音の小さな掛軸も販売していた.ここ中田観音だけで販売をしているらしい.

立派な道標.その右に,小僧さんがおりますが,この辺りでは,この小僧さんが指してある方向に,なんらかの名所があるようです.30/Dohyo-2003-12-13.jpg
左:観音堂に掛かっていた絵馬と御詠歌.御詠歌ちょっと,もう,詠めませんね.中:銅造十一面観世音菩薩、脇侍不動明王・地蔵菩薩立像の三体の解説.右:三十三観音の所在地の地図(オリジナル).30/Ema-2003-12-13.jpg30/Kaisetsu-2003-12-13.jpg30/Map33-2003-12-13.jpg
お寺の山門.この奥が観音堂.ここもわらじが掛かっております.立派なわらじの他に,小さなわらじもたくさん掛かっています.願い事が掛かれているのですね.30/Sanmon1-2003-12-13.jpg30/Sanmon2-2003-12-13.jpg
中田観音から雀林観音への移動途中.只見線の列車を見る.根岸駅を出たところの若松方向への列車だ.私がいる場所は,会津盆地の西の外れで,東の外れまで良く見えている.30/TadamiLine-2003-12-13.jpg
道標.とりあえず,指で,(法用寺の)方向だけは教えてくれます.しつこくないと言う意味で,このくらいの案内が,案内というものとして良いとも思う.29/Dohyo1-2003-12-13.jpg
雀林第二十九番
雷電山
法用寺
十一面観世音
雀林
雀林御朱印中田観音から,少し道に迷ったのだが,徒歩25分程で,法用寺へ到着.参拝の前から参拝の間,雨が降った.

ここの参拝は,2度目だ.以前,会津五大桜の一つである「虎の尾桜」を見に来たことがあった.三重の塔もあり,現存する会津唯一の塔とのこと.その時には,観光客もたくさんおり,近くの方も饅頭,餅,野菜を販売していたが,今日は,そんなことはなく,参拝者も私一人である.

文献[2]による以下の修復前の観音堂は,かなり傷んでいたが,今は,管理されていると見え,きれいである.違う寺ではないかと思える程だが,「虎の尾桜」の形は同じであることが分かる.

文献[2]の雀林観音堂の写真を引用する.これは,修復前の観音堂と思われる.瓦の外れ方が見ていて痛々しい限りですね.上と比べると,いまは,大変きれいになっていますね. 昔の雀林観音堂
観音堂にあった絵馬3つ.左の2つは昔の戦(いくさ)に関係するものだろうか.分からないが.左は安永八年巳(己)亥青龍(?)孟春望日とある.中央は不明.右側は農事に関する絵馬だ.昭和八葵酉元旦とある.29/Ema1-2003-12-13.jpg29/Ema2-2003-12-13.jpg29/Ema3-2003-12-13.jpg
法用寺観音堂の前にある解説板4つ.29/Kaisetsu1-2003-12-13.jpg29/Kaisetsu2-2003-12-13.jpg29/Kaisetsu3-2003-12-13.jpg29/Kaisetsu4-2003-12-13.jpg
三重の塔とその解説.三重の塔は,意外と傷んでいるような感じがします.29/Sanjyunotou-2003-12-13.jpg29/Kaisetsu5-2003-12-13.jpg
観音堂の右手にある道標と野仏.左:「右やないず」とある.他に字は見当たらず.この石は,ただ転がっているだけという状態.右:二十三夜供養塔.正月二十三日講中/敬白と脇に書いてある(「養」は羊がヘンとして,食がツクリとして書かれている).29/Ishi1-2003-12-13.jpg29/Ishi2-2003-12-13.jpg
観音堂の右手にある野仏のつづき.「六十六部供養塔」「安永三甲牛歳」とある(1774年,「養」は羊がヘンとして,食がツクリとして書かれている).ここからの引用すると「六十六部とは、中世以来諸国を遊行して修行を行った半僧半俗の仏教者のことである。六十六部の「法華経」を書写し、全国六十六箇所の霊場を巡回して奉納した。その因習は室町時代から江戸時代にかけて盛行した。僧侶のほかにも独特な服装をし、鉦を叩いて金銭を乞う者もいた.」29/Ishi3-2003-12-13.jpg29/Ishi4-2003-12-13.jpg
観音堂の右手にある野仏のつづき.湯殿山.安政六己未八月八日とある(1859年.政はヘンとツクリが縦に,己は巳として書いてある).29/Ishi5-2003-12-13.jpg29/Ishi6-2003-12-13.jpg
お氷餅搗阯(おこおりつきあと).観音堂と三重の塔の奥にある.29/Kaisetsu6-2003-12-13.jpg29/Okorimochi-2003-12-13.jpg
雀林から高田の街まで歩く.50分程歩いて高田観音に着く.ここで,前回頂けなかった御朱印を頂く.たまたま御住職がいらしたので,少し話しをさせて頂く.その後,街のセブンイレブンへ行き,パンと飲物を購入.そこの前のバス停から12:17分発会津若松行きのバスに乗る.バスの中で腹ごしらえ.12:37 に西若松駅前バス停到着.西若松駅の会津鉄道側の構内を使わせて貰い,線路を渡る.渡り終えるとすぐに石塚観音堂だ.
石塚第十九番
石塚山
蓮台寺
聖観世音
石塚
石塚御朱印この観音堂が,札所の中で,最も市街地にあると思う.新築した観音堂のようだ.文献[2]に載っている観音堂とは確かに異なる.つくりも面白い.石灯篭が一つ,観音堂の前にある.観音堂右手は普通の住宅地.
参考のため文献[2]の石塚観音堂の写真を引用する.これは,修復前の観音堂と思われる.雀林ほどではないけど,瓦がいくつか外れています. 昔の石塚観音堂
観音堂右手に,御朱印を頂く方法が書かれている.非常に丁寧に書かれていて,若松に詳しくない人でも分かるだろう.しかし,残念なことに歩行者にとっては遠い(自動車なら市内を運転する煩わしさがあるが,全く遠くない).私は,次の御山に参拝したあと,バスで「神明通り」バス停まで行き,金剛寺まで歩いた.バス停から歩いて10分程で金剛寺に到着.そこから15分程歩いて会津若松駅まで到着.

文献[1]に「石塚観音と戊辰戦争」という題で,逸話がある.

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左・中:水場.「奉寄進/元禄八/乙亥/年/五月十七日/寺田角右衛門/清行」と書かれている.右:「石塚」と書かれた石.19/Ishi1-2003-12-13.jpg19/Ishi3-2003-12-13.jpg
御山第二十番
神護山
照谷寺
聖観世音
御山
御山御朱印石塚を出たあと,歩いて行くか,バスで行くか迷ったが,雨が強くなったので,米代バスセンターまで行く.20分程待つと芦の牧温泉方面のバスがあったので,待ち合い室にて待つ.13:21 米代バスセンター発の芦の牧温泉行きのバスに乗り,13:32 に「南の団地入口」バス停にて下車.下車時には,雨は傘をさすほどではなくなっていた.25分程歩いて照谷寺に着く.途中,柿木畑が続き,近くになっても照谷寺見えない.一旦見え始めると,立派な広い寺だった.

御朱印もご住職がくださった.

観音堂の右にあるガラス張りの掲示板のような物は,そこに,御札というか巡礼者の氏名を貼るためのもの.少し高所にあるので風雪に耐えるようにするためか?

いくつか道標が続く.実際,私は道を間違えたかと途中疑った.右の写真でも,まだ,寺の建物類は見えない20/Dohyo1-2003-12-13.jpg20/Dohyo2-2003-12-13.jpg20/Dohyo3-2003-12-13.jpg
観音堂の解説.平成4年に観音堂を移動したと書いてある.ちなみに,文献 [4]の観音堂は,民家のような観音堂だ.20/Kaisetsu-2003-12-13.jpg
再び「南の団地入口」まで戻る.少し時間があったので,セブンイレブンに寄る.14:50 バス乗車,15:10 神明通りバス停にて下車.金剛寺にて石塚観音の御朱印を頂き,帰宅.

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