ある日, 部屋で奇妙な虫を見つけた. バッタのようだが, ノロノロ歩き, 手足をやたら嘗めまくっている. 気持ち悪いので, 外に逃がした. だが, 彼らもきっといろんなことを感じて生きているのに違いない. 少しだけ哀れを感じながら, 虫けらは何のために生きているのか? ありふれた疑問が頭をもたげ出した...
気がつくと, 薄暗い野原の中に人かげが5-6人, こちらに向って手招きしていた.
近づいてみると, 背丈はあるもののどの顔も子どものような顔立ちで, なぜか, 男か女かも判別できなかった.
それでもからだが動かずに, いやというほど, 巨大な力を思い知らされる.
恐怖に身を震わせた時, 彼らはいつしかやさしい微笑みを浮かべていた.
いや, 本当ははじめからずっとそうだったのかも知れない.
彼らは脅威だが, そんなに恐くはないのかも知れない. 彼らはむしろ, 人間を愛しているようだ.
落ち着くにつれて, そんな感じが伝わってきた. これが本心なのだろうか?
その言葉が終らないうちに, 急に苦しくなって目が醒めた.
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