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極めて強力で邪悪で好ましからざる対象が, 弱体化希薄化小型化したとき, えも言われず好ましい ものに豹変することは, 時折目にするものである. 此の観点をふまえたとき, 可愛い猫のすがたにも 虎やライオンの姿を髣髴とするはずである. あるいは麝香のかおりにも, 醜悪なる悪臭を感じ取るはずである. そして... そしてまた美しい女性のすがたにも, 悪魔を垣間見るはずである... これは女性をけなそうとしたものではない. また, 実際女性を小悪魔と称することがある. しかし, それはむしろ俗に内面を指して言うことであって, ここでは内面ではなく, その外面のみについて 語ろうとするものである.
ここで悪魔という観念が, そもそも想像上のものなので, これを論じることはある意味
無意味なことにもなりかねない.
しかし, 実際ありもしない悪魔の姿かたちに, 我々は驚くほど共通認識を持ち得ているのではないだろうか？
かれは目が大きくつり上がり, 口が大きく開き, とがった爪を伸ばし, 長い髪の毛を振り乱し,
時にとがった靴を履いている. 此の姿は, どう見ても女性の姿を誇張したもの, あるいは, 彼女たちは
知らぬ間にそのような姿を身にまとおうとはしていないだろうか？ そして皮肉にも, 世に美しいと評される
女性ほど, このような容姿を秘めてはいないだろうか？
03/1/27
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