吉田 明子

フィールド

研究者

就職先

シャープ株式会社

佐賀県出身。2000年に会津大学を卒業後、アメリカの大学院に渡り修士、博士を取得し現在はシャープ株式会社勤務。会津の好きなものは美しい自然と古い街並み、日本酒。

このフィールドについて教授から一言 〜 研究者

研究者という職業は非常に幅の広い分野を含みます。コンピュータ理工学に限っても、数学・物理学に近い基礎的な部分の研究、いわゆるアカデミックな領域から応用、サービス、製品開発などの開発研究までほとんどすべての授業科目領域が含まれます。研究者として一番重要なことは、面白がることです。あるいは寝食を忘れて没頭できる面白い対象を見つけることです。会津大学のカリキュラムにはSCCP(課外プロジェクト)、卒論発表会、修論発表会などのような研究分野を知る機会が多くありますから、大いに活用してください。
卒業後の就職先としては、大学の教員や企業、国などの研究機関があります。大学の場合は、どちらかといえば基礎よりの研究分野が多く、研究テーマの制約はすくなく、少人数で行うことが多いです。応用研究や開発などの分野ではチームで研究を進めテーマも自分では選べないことが多いですが、研究資金などは大学よりは有利です。いずれにせよ、研究の過程で博士号を取る機会は多いでしょう。研究者を目指すのならば、大学院へ進学したほうがいいでしょう。

別に研究者だけに限ったことではありませんが、好奇心、探究心、それとしつこさが重要でしょうね。対象に粘り強くしがみつきふられてもふられてもしがみついてゆくストーカー的(?!!)メンタリティーは合っているかも知れません。それから、最初から研究者でなくても仕事の過程で研究者へ転身したり、あるいは、研究者からベンチャー会社を立ち上げて活躍している例は多くあります。大学入学というのは、人生のほんの始まりにすぎません。なによりも、学問を面白がって下さい。いろんなことに首を突っ込んでいるうちにほれ込む対象が見つかるでしょう。研究者になるかどうかは、それからの問題です。

英語科目

Reporting Statistical Research in English

This course covers:

  1. Basic statistical research design
  2. Interpretation of results
  3. Interpreting and reporting results in English
  4. Making software that supports experimental research

Students will produce software applications that illustrate basic principles of sample-based experimental research.
Students will also report on results using standard English expressions.

Pronunciation: Comparing English and Japanese Sound Systems

This course is a contrastive analysis of the phonology and phonetics (the sound systems) of Japanese and English. Each language's inventory of sound segments will be compared systematically, as well as the syllable structure and some phonological rules. Students will be taught to produce (pronounce) and perceive the differences between sounds in these two languages. In order to assist students in differentiating between English and Japanese sounds, both ultrasound and acoustic analysis software will be used in the classroom.

研究テーマ(4学年時)

研究テーマ
  • Whisper Functionの検討(学士)
  • Tone Mappingの知覚評価(修士)
  • HDR画像における視覚心理学ベースの画像処理(博士)

学士論文では、立体音響において「ささやき」を実現するためのシステムについて検討を行いました。指導してくださったのは、William L. Martens先生、Jens Herder先生、Michael Cohen先生です。

修士論文は、会津大学でコンピュータグラフィックスを教えてくださったKarol Myszkowski先生につき、高ダイナミックレンジ(HDR)画像を表示するためのTone Mappingという手法における知覚評価を行いました。高ダイナミックレンジ画像とは、通常のカメラやディスプレイよりもはるかに広い範囲の輝度情報を持つものです。人間の目はかなり幅の広い輝度範囲(これをダイナミックレンジという)を知覚できますが、通常のディスプレイのダイナミックレンジは非常に狭く、表示にはソフトウェア・ハードウェア両面からのさまざまな工夫が要求されます。

博士論文は、同じくMyszkowski先生のご指導の下、HDRディスプレイにおけるHDR画像の知覚評価と視覚心理学ベースの画像処理に関する研究をまとめました。これまで表示装置と人間の知覚の間にあった齟齬や錯視を測定し、その結果を画像処理に逆利用することでより好ましい表現を追求するという内容のものです。

ベンチャー企業で培った貴重な経験

学部2年の初めから、株式会社あいづジャパンで学生スタッフとして働かせていただきました。現在は既に10周年を迎えている会社ですが、私が働き始めたのはあいづジャパンが法人化して1ヶ月ほどの頃です。色々な経験をさせていただきました。学生ながら、プロジェクトリーダーとしてお客様からのヒアリングと企画の提案、システム作り、何度かのレビューを経て納品という一連の流れを全て任せていただいたことなど、非常に貴重な経験として印象に残っています。他にも、インタラクティブCG技術を用いた美術館や陶芸システム作り、勝常寺の薬師三尊像や大内宿のモデリングなど、さまざまな経験をさせていただきました。当時は今のようなマシンパワーも便利なモデリングツールもインフラも何もかもが整っていない状況で、そのような中で工夫に次ぐ工夫を求められたことは、とても良い経験だったと思います。そして何より、一番にかつ自然に叩き込まれたことは、「仕事は自分で創るか探すかするもの」という意識です。何せできたばかりの会社で、私の第一印象は「変な人ばかりだなあ」でした。社長はじめ全員が爆発的にエネルギッシュで、面白いと思ったことへの瞬発力が高く、それを握って離さない握力も強い。たった数年間とはいえそのような環境で働いたことは、私にとって大きな財産となっています。

就職活動

就職活動と現在の仕事について

シャープ株式会社
シャープは、1912年の創業以来、国産第一号のラジオ、テレビ、太陽電池の量産化、世界初の電卓や液晶ディスプレイなど常に新しい分野の開拓、事業の創造に注力してきました。「エレクトロニクス技術を通じて"21世紀生活"を創造する"オンリーワン企業"」をめざし、新しいモノや新しいビジネスモデル、つまり「新しい価値」を創造することに全力で取組んでいます。
http://www.sharp.co.jp/

研究者には多いのですが、私にもやはり一般的な新卒での就職活動の経験はありません。会津大学卒業後はアメリカのOregon State University(オレゴン州立大学)の大学院に行き、ドイツのUniversitaet des Saarlandes(ザールラント大学)に移籍してそこで修士号を取得しました。その後は同じキャンパス内のMax-Planck Institut fuer Informatik(マックス-プランク・コンピュータサイエンス研究所:以下MPI)にて研究を続け、博士号を取得しました。

MPIでは、博士論文執筆開始とともに、少しずつその後のポジション探しを始めます。研究者の場合、アカデミアに残りたい人には大学の公募、企業に行きたい人には企業の募集、時には公務員になる人もいるなど、選択肢はさまざまです。私の場合は、国際学会で知り合った研究者の紹介で現職につきました。論文提出時期との兼ね合いと、ドイツ在住時にMPIから一定の所得があったため、11月入社のキャリア採用です。現在は、シャープ株式会社のディスプレイシステム研究所にて、引き続き画像処理や視覚心理学に関する研究をしています。

研究者としてキャリアを積んでいくにあたって、人脈の重要性は無視できません。そしてその人脈は、決して何もないところから発生するものではなく、成果についてくるものです。ただし、どれほど素晴らしい成果を上げたとしても、プレゼンテーションの稚拙さのために人に知られなければ、それはなかったことと同じになってしまいます。研究者が、研究そのものを頑張ることは当たり前のことです。その上でいかに効果的なプレゼンテーションをできるか、その重要性をますます感じているところです。

その他の進路イメージ

             

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お問い合わせ先メールアドレス
sad-aas@u-aizu.ac.jp

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