崔 裕仁

フィールド

コンピュータサイエンス

就職先

株式会社野村総合研究所(NRI)/ 流通グローバル事業推進部

京都府出身。2004年に入学後、学部、博士前期課程(修士課程)を経て株式会社野村総合研究所に勤務。会津の好きなものは、星空、紅葉。

このフィールドについて教授から一言 〜 コンピュータ・サイエンス

情報基礎論講座
林 隆史 教授

コンピュータに関するアイデア、理論など様々な知見を共有するためには、その「知」を客観化・抽象化・体系化することが必要になります。
どれだけすぐれたアイデアでも、そのままでは他人が使うのは困難です。

コンピュータサイエンスは、コンピュータの持つ様々な機能を実現するアイデアを科学的に扱う学問です。
このトラックで学ぶ様々なことは、皆さんがこれから発見・発明するアイデアを世界と未来に伝えいくために、そして、世界中の様々な「知」、過去に得られた「知」を皆さんが活かすために必要なものです。

また、コンピュータの発展を支えてきたコンピュータ・サイエンスの様々な内容は、これからの新しいコンピュータを生み出す上での大きな手がかりを与えてくれるはずです。
このトラックでは、より良いコンピュータ、新しいコンピュータなどを生み出すために必要な、ものの見方、考え方を身につけてもらうことを狙っています。
コンピュータモデリングは、コンピュータ上に実世界を構築するために必要な理論や手法です。コンピュータ上に実世界を仮想的に構築することによって、様々な現象のシミュレーションや、可視化をすることが可能となります。
コンピュータモデリングでは、対象となる現象を良く理解したうえで、それをコンピュータ上に実現するための抽象化、適切な省略などが必要となります。

コンピュータモデリングは、photo-realistic なコンピュータグラフィックスの実現、気象シミュレーション、社会現象の可視化、物理現象のシミュレーションなどで必要なものです。コンピュータモデリングでは、「コンピュータ上で実現」という点と「より実世界そのものに近づける」点をいかに調和させるかが鍵となります。

コンピュータやネットワークに関する新しい発見やアイデアは、そのままでは人に伝えることはできません。コンピュータサイエンスは、自然科学が自然を対象として、様々な現象を明らかにするように、コンピュータに関する様々なことがらを明らかにしたり記述してくれます。また、コンピュータサイエンスの膨大な成果は、これから新しいコンピュータを作り出すときに、様々な指針を与えてくれるはずです。
コンピュータ自身の進歩・変化が早いことと、コンピュータが関わる分野が多岐にわたることから、将来仕事の対象が変わることもあると思います。そのような時に、「基礎」であるコンピュータサイエンスやコンピュータモデリングで得た考え方や知が役に立つ思っています。
私自身、研究テーマの変更や追加を何回かしてきましたが、コンピュータサイエンスなどの基礎にわたるところが、テーマ変更や追加のときに大きな支えとなりました。

主に取得する科目

● フーリエ解析 ●複素関数論 ●確率統計学 ●応用代数 ●数理論理学 ●コンピュータ理工学実験 ●プログラミングC++ ●データベースシステム論 ●オートマトンと言語理論 ●アルゴリズム特論 ●数値解析 ●コンピュータグラフィックス論 ●ディジタル信号処理論 ソフトウェア工学I

英語科目

Reporting Statistical Research in English

This course covers:

  1. Basic statistical research design
  2. Interpretation of results
  3. Interpreting and reporting results in English
  4. Making software that supports experimental research

Students will produce software applications that illustrate basic principles of sample-based experimental research.
Students will also report on results using standard English expressions.

Pronunciation: Comparing English and Japanese Sound Systems

This course is a contrastive analysis of the phonology and phonetics (the sound systems) of Japanese and English. Each language's inventory of sound segments will be compared systematically, as well as the syllable structure and some phonological rules. Students will be taught to produce (pronounce) and perceive the differences between sounds in these two languages. In order to assist students in differentiating between English and Japanese sounds, both ultrasound and acoustic analysis software will be used in the classroom.

基礎科目(1学年時)

線形代数Ⅱ

線型代数 I の続きとして、固有値問題を扱う。前期と同様に、微積分と並行して履修することが求められるが、その理由はⅠに述べた通りである。

たとえば、多変数関数の微積分において、行列や行列式が決定的な役割を果たす様を見ることになる。また、固有値問題は、数列の漸化式を解く有力な方法を提供する。線型代数と微積分とを有機的に結び付けて理解しておくことがいかに重要であるか、痛感することになるだろう。また、電磁気学で必要不可欠なベクトル解析の下地もここで養われる。その他、演習も含め基本的方針は、線型代数 I と変わるところはない。

微積分Ⅱ

微積分 I に引続き、多変数関数の微積分を扱う。一変数のときと比べて、趣が異なるけれども、実際の計算は、一変数の場合に帰着してしまう。従って、授業を大事にして基本さえおさえておけば、何ら恐れることはない。なお、基本的方針は、微積分 I と変わるところはない。また、線型代数 II の項も参照されたい。
多変数の微積分の基礎の修得を目的とする。
1変数関数に対する微分は多変数関数に対する偏微分に拡張されるが その考え方 計算は難しくない。微分を1変数関数の極大極小問題に応用したように偏微分を多変数関数の極大極小問題に応用する。
また 1変数関数に対する積分は多変数関数に対する重積分に拡張されるが やはりその考え方 計算は難しくない。特に1変数関数に対する置換積分にあたる変数変換の技法に習熟してほしい。
最後に 級数についても学ぶ。特に関数項級数は フーリエ変換、複素関数論の基礎にもなる。

専攻科目(2~3学年時)

フーリエ解析

本講義では、一学年に学んだ微分積分の続きであり、解析学の基礎であるフーリエ解析について学習する。フーリエ解析は、フーリエによる熱伝導の研究が出発点であるが、思想的にはギリシャのピタゴラスによる音楽理論にはじまる。音や光などの波動の研究が関係しており、理工学において幅広く利用されている。コンピュータサイエンスにおいてもフーリエ解析(ラプラス変換を含む)は、システム理論、信号処理や通信理論の理解に欠かせない。むしろ、フーリエ解析なくしてこれらを学問的に扱うのは不可能である。フーリエ解析は、信号を多くの正弦波の重ね合わせとしてみる。またフーリエ解析の画像や波形の工学的応用アルゴリズムは、ディジタル信号処理の中で位置づけられる。数学の歴史では、フーリエ解析は、複素関数論とともに、近代解析学が生まれる一つの契機となった。フーリエ変換は、複素関数の演算に利用することも頻繁に行われている。

数理論理学

The course starts with an introduction to basic logic and set theory including Boolean algebra. Applications such as elementary circuit design are discussed. The course continues with extending basic logic to fuzzy logic, a very modern branch of logic. Applications such as pattern restoration are discussed. course finally focuses on the formalization of theorems and proofs as another extension of basic logic concepts.

Revisit Boolean algebras and applications as a foundation of this course. Learn fuzzy logic and fuzzy set theory. Learn formalization of mathematics, in particular, proofs which then can be processed by machine.

研究テーマ(4学年時)

研究テーマ
  • Efficient Downsizing for e-Government in Japan(卒業論文)
  • Social Networking Service for Local e-Governments using Cloud Computing and Content-aware Networking(修士論文)

学生時代は「電子自治体」を主な研究テーマとしていました。
このテーマは「複合領域」と呼ばれる分野で、「コンピュータ理工学」だけではなく「経済」や「法律」、場合によっては「国際関係」など様々な領域が含まれています。「ITの最新の技術を駆使しながら、既存の問題をどのように解決するか」ということを考える点がこの研究の面白いところです。
今、皆さんがご存知のとおり国も地方自治体も様々な問題を抱えています。とりわけ私が研究の中で重視したのが「2050年まで日本の人口が減り続ける一方で、国や地方の借金が増えていく一方である。その中でいかに日本が国際競争力を備えていくことができるのか」という点です。
ITを駆使することで、課題解決に成功している国もありますが、それらの国の取り組みをそっくりそのまま真似たところで日本でもうまく機能するとは限りません。社会制度などの違いがあるためです。制度面での問題の解決をIT技術で支援する方法やIT技術の問題を制度でカバーする方法なども検討しました。

それらも考慮しつつ、ITの技術動向も把握し、先に挙げた問題について現実的な解決方法を模索し続けました。
また、電子自治体の重要な役割の一つに地域情報基盤として、地域の知識社会構築を推進するということがあります。そこで、様々な情報(知)を連携させるための研究も行いました。
卒業論文では、投資に見合った効果を得られるよう従来のダウンサイジングより一層効率的な手法の提案を行いました。修士論文では、それらに加えて社会ニーズとしてのセキュリティへの対応の難しさ、迷惑メール被害の軽減などによる業務の効率化に踏み込んだ内容としました。いずれも、コンピュータ理工学の論文でありながら、技術に偏らず社会性の高い内容です。

歴史の浅い大学だからこその柔軟性

会津大学には良いところもたくさんありますが、歴史が浅い分、洗練されていないところもあるように思います。しかし裏を返せば、その気になれば新しい仕組みや流れを作ることができる柔軟さがあるということです。

会津大学は学部の就職率が良いということもあり、大学院への進学者が多くなかったのですが、多くの人は自分のキャリアパスを考えた上でのことではなかったようです。そこで私は、自身の進路についてよく考えてもらう機会を作ろう、後輩が進学したくなる大学院づくりに貢献しよう。と考え、「進路について考えるための課外プロジェクトの創設」「大学院進学相談窓口の開設」など様々なことを提案し、試行錯誤しながらも実践しました。すべてがうまくいったわけではありませんが、私が大学院を修了し、会津を離れた後も機能しているものがいくつもあります。

また、TA(授業や演習のサポート)や、大学の情報処理センターでの補助業務を通じて、「運営する側の視点」や「物事の裏面も考えることの重要性を知ること」などの機会にも恵まれました。これらの中には規模の小さい大学だからこそ可能なことが少なくないのではないでしょうか。

求めれば機会が与えられる、これが会津大学の原動力であったと思いますし、OBとして今後もそうであって欲しいと思っています。

就職活動

就職活動と現在の仕事について

株式会社野村総合研究所
1965年に日本初の本格的な民間シンクタンクとして誕生。1988年には、「野村コンピュータシステム」と合併。現在、経営、およびシステムコンサルティングを提供するとともに、金融・産業などの分野のシステム構築を手がけ、ITアウトソーシングサービスなども提供している。
http://www.nri.co.jp/

「就職氷河期の再来」「100年に1度の不況」などと騒がれた中での就職活動でしたが、幸運にも複数の会社から「ぜひ入社を」と声を掛けていただきました。
最終的に2社まで絞り込んだものの、贅沢な悩みだとは思いながらも何日も悩んだ末にNRIに入社することを決めました。大学院の周囲の同期も同じような状況の人が多かったです。

いくつかの企業の人事の方が個人的にメールや連絡を下さったり、プライベートでのお付き合いをしてくださるなど、私個人としては就職活動を非常に楽しんだのを覚えています。複数の企業のお話を聞くことができるのは、ある意味で学生の特権だと思っています。OB訪問をすることで「実際にその会社で働く人の声」を聞くことができれば、より納得いく就職活動になると思います。就職活動で大切なことは「入社すること」ではなく「入社して何がしたいのか」ということです。必ずしも、専門や研究テーマに縛られる必要はないと思います。自分が将来何をしたいのかということを常日頃から考え、実現できる方法を考えてみてください。もちろん一つに絞る必要はありません。そうすることで、より納得のいく就職活動ができると思います。

入社後、流通グローバル事業推進部という部署に配属となりました。私の部署で担当しているお客様はすべて海外の企業で、お客様の事業をコンピュータシステムの面からサポートしています。お客様とのやりとりは、もちろん英語です。部署で担当しているシステムが、遠く海を越えたところにいらっしゃるお客様の業務を支えているというのが、ちょっぴり誇らしく思っているところです。

IT業界に強くこだわって企業を選んだ訳ではないのですが、会津大学で学んだコンピュータ関連の知識、英語力に加え、ソリューションに関わる研究をしていたという点で、今後も会津大学での経験は活きてくるでしょう。

その他の進路イメージ

             

このページの内容に関するお問い合わせは「学生課 教務係」までお願いいたします。

お問い合わせ先メールアドレス
sad-aas@u-aizu.ac.jp

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